*** 2002年11月13日,16日,17日 ハルピン ***

[11月13日,16日 ハルピン]
1.凍結した
松花江
2.市中心部 3.東方餃子前 4.ロシア教会 5.公園 6.松花江
手前
7.松花江手前
の店
8.松花江の
犬ぞり
9.松花江の
日没1
10.松花江の
日没2
11.松花江の
御神渡り

[11月17日 新潟-伊丹間]
21.新潟空港01 22.新潟空港02 23.新潟空港にて
24.北アルプス01 25.北アルプス02 26.北アルプス03
(御嶽山)
27.北アルプス04


 11月13日(水)、中国黒龍江省からの本学への博士課程留学候補者面接試験のため、
F先生と省都ハルピンに出かける。今回は新潟-ハルピン間の直行便を利用する関係
で、高知→伊丹→新潟と国内便を乗り継いでの出発である。
 ハルピンに近づくにつれ、凍てついた広大な台地が眼下に広がるようになる。
ハルピン近郊を流れる大河"松花江"は11月半ばで既に凍結している模様で、川面が
青光りしている。こんな極寒地を訪れるのは私にとって初めてであり、大変な所に
来たと言うのが実感である。以下業務はさておき、町の風景・雑感について記す。
 F先生は重要な案件のため僅か二日の滞在で帰られたが、私は15日(金)にハルピン
工業大学及び黒竜江大学との打ち合わせを残していたので一人残留する。当日の業務
は友好裏に終了し、16日(土)は帰国便待ちのため一日空いたため、ハルピン工業大の
R先生と"東方餃子"にて水餃子を食した後、松花江見物に出かける。本日の最低気温
は-20℃(最高気温は-7℃)との事で、路面はカチカチに凍っている。慣れた市民でさえ
所々で転倒しており、骨折して帰国できなくなると困るので注意して歩く。途中の
公園では、子供等が極寒の中滑り台やブランコに遊び興じている。松花江の堤防近く
には、食堂とも屋台とも区別が付かない独特のスタイルの店が並んでいる。写真を撮
っていると目の前をサッと鼠が横切り、その店の一つに入って行く。店は石炭ストーブ
で暖房しているので、鼠が越冬するには快適な環境の様である。そう言えば、ホテル
でも小さなゴキブリを見かけたが、北海道にも居ない代物が更に寒いハルピンで立派
に生き伸びているとは、なんと逞しい害虫殿であろうか。
 土手から眺める松花江は既に全面凍結している模様で、先人の跡を辿って対岸に向
かう事にする。夏に訪れた時は遊覧船の波止場であった所が、今はスケートリンクに
変わっている。ここでは犬ぞり使いと凧売りが盛んに客引きをしているが、誘いを振
り切って対岸に向かう。途中で夕日を撮影しようとしていた所、太陽が日頃見慣れた
形と何となく違うのに気付く。日本では、輪郭がハッキリしているのが一般的だが、
ここでは何となくぼやけている。川の中央部からハルピン市内を見渡すと、町全体が
スモッグで覆われている。どうやら太陽がぼやける原因は、暖房用石炭からでる煤煙
に有る様である。その所為か、喉の奥がいがらっぽい。
 川の中央部にはまだ凍結していない箇所もあるが、諏訪湖の'御神渡り'の様な氷の
土手が既に出来ている。ここから引き返す事にして、ふと愛用のEOS5を見ると何と
バッテリー切れである。こんな事が無い様に、日本を出発する前に、新品のバッテリー
に交換して万全を期したつもりであったが、短時間で消耗してしまうとは何とも凄ま
じい寒さである。撮影を諦めて帰路につく。
 翌朝10時前にハルピンを発ち、正午頃新潟空港に到着する。新潟空港の展望台から
は、大日岳を始め新潟の連山が屏風の様に聳えている。本日は快晴であり、これから
通過する北アルプスが楽しみである。栃波平野を過ぎると、北アルプスの雄大な光景
が迫ってくる。左手に薬師岳,右手に立山,剣岳と思しき山々が眼前に広がる。手前
は穂高であろうか、丁度日没時で斜から光
が射していたので、神々しい光景に出会え出張の疲れも吹っ飛ぶ。
 今回は留学生の面接試験のため、11月13日から17日にかけて初冬のハルピンを訪問
した。大気は寒かったが、黒龍江省教育庁の方々の暖かい人柄と、留学生候補者の澄
んだ瞳に接し身も心も暖まった。またハルピン工業大学及び黒竜江大学とも今後に繋
がる交流ができ、有意義な4日間となった。今後、研究を含めた交流拡大を図るため
にも、暖かくなった時点で再度ハルピンを訪問したい。
(後日談:追加の応募者が有った為、年明けの1月2日~4日にかけて、再度ハルピンを
訪問する事になった。)

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