*** 2004年5月30日 茶会 (高知城 慶雲庵にて) ***
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1.茶会会場 (慶雲庵) |
2.慶雲庵庭園 | 3.清めの場 | 4.控え室の天井 | 5.茶室 |
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6.茶器1 | 7.お茶をたてて 頂いた方 (主人?)1 |
8.お茶をたてて 頂いた方 (主人?)2 |
9.留学生1 | 10.留学生2 |
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11.留学生3 | 12.留学生4 | 13.茶器2 | 14.生花 (ヤマボウシ) |
15.掛軸 (一期一会) |
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16.香台 (笹舟に乗った 雨蛙) |
17.記念撮影1 (茶室) |
18.記念撮影2 (慶雲庵前) |
5月30日(日)、日本語教育担当のK先生のお世話で、昨年に引き続き留学生のためにお茶会を催して頂くことになり、 世話役のK,Hさんと共に、総勢10数名で会場となる高知城・慶雲庵に出かける。今回も、石州流のN,T両先生を始め、 多くの方々のお世話になる。参加したのは、昨年秋及び今春入学した博士課程留学生が殆どであるが、修士課程留学生 も一人含まれている。国別では中国出身者が圧倒的に多いが、カンボジア,タイ出身者も一人づつ混じっている。 茶会開始迄に少々時間があったので、隣の文学館で開催されている"金子みすゞ・思い花展"を見学する。金子みすゞ は、山口県が生んだ昭和初期の薄命の童謡詩人であるが、彼女の美しい詩と共に、写真家・岡田憲佳氏撮影の可憐な花 の写真が展示されている。同氏は、実に叙情豊かに、花の自然の美しさを見事に表現されている。午後、岡田氏が展覧 会にお見えになるとのことなので、係りの方にお願いして、茶会の後お話を聞かせて頂くことにする。 この後全員で茶席に向かう。石州流は大名達に広がったことから大名茶とも呼ばれ、土佐・山内家でもこの流派が 脈々と受け継がれ、土佐石州流として現在に至っている。今回の茶会開催までに、会場の選定で紆余曲折が有ったが、 N,T両先生の御計らいで、格調高い慶雲庵を特別に使わせて頂くことになった。慶雲庵に入り、先ず手と口を清めた後、 控えの間に通される。ここで茶会が始まるまで、暫く心を静めることになる。控え室の外には見事な庭園が望め、また 中の天井は茅葺になっており、心を落着けるには打って付の空間のように思える。 茶室は比較的広く、床の間には"一期一会"の掛け軸の他、シロウツギ?(ヤマボウシ:知人の植物博士のAさんによる) の生け花や、笹船に乗った雨蛙の香台が置かれている。N先生から、李朝風の茶碗に始まり、"一期一会"の由来(2003年 4月27日版参照)から、香の種類(京都鳩居堂で求められた白檀)まで、立て板に水の如く日本語で説明して頂く。日本語 に不慣れな留学生には、中々理解困難な模様で、顔が少々強張っている。そこで、K先生が英語で通訳をされると、留学 生も話の中味が解かったのか、実に生き生きとした顔付きに変わってくる。従って、この"一期一会"は井伊直弼の言葉 ではあるが、現在の留学生にも通じる万国共通の名言と言うべきであろう。お薄は最初に私がを頂戴し、順次時計回り に留学生へと運ばれてくる。ハルピン出身のR君は、茶会が2回目とあって、実に堂に入っている。他の留学生も、初め てにも拘らず、粛々とこなしている。 そうこうする内に、格調高い石州流のお茶会は約一時間で滞りなく終了した。主催者のN先生からは、一期一会の由来 を始め茶道について様々な御講話を頂き、留学生と共に日本文化の奥深さの一端を知ることができた。ここに、改めて お世話になった石州流の方々に深謝すると共に、また機会があれば留学生とともに石州流のお茶会に列席したい。 《茶会後の写真家・岡田憲佳氏との面談について》 花の写真から伺える通り、実に穏やかな顔付きの齢70歳程の方である。もっぱら、フジ・ベルビア(感度ISO50)御愛用 の銀塩派で、愛機はCONTAX(35mm版)とのことである。レフ板やフラッシュは用いず、自然光の中で、一番美しい瞬間を 撮るように、心掛けていらっしゃるそうである。例えば、蓮の花は咲き始めの早朝が良いとのことである。私の写真の 腕前については、同氏に遥かに及ばないが、写真に対する考え方の共通点も多く、話し込んでいるうちに、1時間をとっ くに過ぎてしまう。是非またお会いして、色々と御教授を賜りたいと心底思う。最後に、同氏から著書"万葉花"(ニッポ ン・リプロ刊行)他を謹呈される。