*** 2011年1月30日 三浦アルプス ***
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1月30日(日)、今年最初のさんしょの会例会に参加する。今回は、Wさんの庭とも言える、通称"三浦アルプス"南尾根縦走である。年初めの足慣らしとして最適と思い、気楽に参加したものの、どうしてどうして、中々ハードなコースである。理由は、追って明らかとなる。 8時過、寝不足のまま、JR大船駅行のバスに乗り込む。深夜、アジアカップ決勝戦を、最後まで観戦した関係で、睡眠時間は2~3時間というところか。それでも、北海道摩周岳以来の3カ月ぶりの登山であり、勇んで出発する。集合場所のJR逗子駅前では、既にWさん,Tさん,Hさんが待っておられる。結局、昨年4月の"巣雲山"と同じ、むくつけき男性4人衆の山行きと相成る。ここで、9:00発のバスに乗り換え、三浦アルプス南尾根の登山口に向かう。途中、中高年の団体が乗り込んできて、狭い車内はいっぱいになる。流石に、人気のトレッキングコースだけのことはある。我々は、"風早橋"で先に下車し、ここから登山を開始する。急斜面の舗装路を登りきると、右手に小じんまりした教会が現れる。その窓には、カラフルなステンドガラスがはめ込まれているが、豪壮なヨーロッパの教会のそれに比べて、何となく安っぽく見える。むしろ、昨年フンザ・バルチット城でみた、色ガラスに近いか。この先から、愈々三浦アルプス南尾根縦走が始まる。一か月以上も雨が無いせいで、山道はカラカラに乾いており、前を行く登山者が砂煙をあげる。これを吸い込んではなるまいと、少し距離を空けて登ることにする。ふと道端に目をやると、こんな環境下でも、スイセンが、枯れることもなく開花している。 15分程で、最初のピーク・仙元山(118m)に到着する。正に絶景、紺碧の相模湾を挟んで、富士山が悠然と鎮座している。左手には、ドーム状の箱根金時山(1213m)が望める。その稜線を右に辿っていくと、略中央に、矢倉岳(817m)も確認できる。約10年前、WさんTさんと共に、一日で両山を踏破したルートで、当時の厳しかった登山の記憶が甦る。ただ、肝心の富士山山頂は、雲間に隠れたままで、晴れる気配も見られない。仕方がないので、撮影を諦め、尾根道を先に進む。 10時前、階段下に到着する。見上げると、急階段が延々と続いており、その終点も確認できない。何でも250段もあるとか。皆さんに後れを取るまいと、気合いを入れなおして登り始めたものの、トレーニング不足と寝不足が重なったせいで、膝が満足に上がらない。ふと、足元に目をやると、可憐なスミレが風に揺れている。 この時期に、スミレの花とは珍しいが、何はともあれ、スミレ博士のAさんのお土産に、数枚撮影する。この花に元気をもらいつつ、何とかこの急階段を登りきる。 更に、アップダウンが連続する尾根道を30分程進むと、観音塚に到着する。ここには、露座の千手観音像が安置されており、その下には、賽銭がばらまかれている。 WEB情報によれば、その脇には、寛政の年号が刻まれているとか。ということは、この道は嘗て江戸時代の交易路で、この像も数多の旅人の安全を祈願して、設置されたようである。この先もアップダウンが続き、その内、下りの際にも、大腿筋が痛くて、交互に足を運べなくなる。仕方がないので、一歩一歩ゆっくりと下る。 2008年の羊蹄山(1898m)では、帰路、膝が笑って転倒する場面もあったが、これとも違う痛さである。何れにしても、私の足の筋力が落ちたか、その筋肉に異常をきたしたかのどちらかであろう。 12時を過ぎたが、行けども行けども、見晴らしの良い休憩場所が見つからない。仕方がないので、桜の木の下の一画を確保し、宴開始と相成る。Tさんの魔法のザックからは、次々と日本酒,焼酎,コーヒー等が出てくる。酒が苦手の私は、温かいコーヒーを、有難く頂戴する。それにしても、Tさんは、サービス精神満点の心やさしき方である。隣の御夫婦の話だと、このコースはアップダウンが激しく、夏山のトレーニング用に最適とか。道理で、体力不足の私にとっては、ハードな訳である。ここで、40分は粘ったであろうか。体が冷えてきたので、重い腰を上げる。 13:30、何とか金網製の階段を登り切ると、三浦アルプス最高峰・乳頭山(211m)に到達する。眼下の横須賀港の先には、大海原が広がっている。超望遠で被写体を探ると、"海ほたる"の真上を飛行する機影が確認できる。遥か遠くには、今話題の"東京スカイツリー"が、悠然と聳えている。Wさんは、既にここを探索済とか。流石に、フットワークの軽いWさんである。私の隣では、Hさんが、おもむろに小型双眼鏡を取り出し、周辺を覗き始める。それを見た"登山女子"が、それをちゃっかりと奪い取り、仲間同士で使い回している。Hさんも、まんざらでもなさそうで、彼女達に、使い方の手解きまでしている。Hさんが、少々やにさがって見えるのは、気のせいであろうか。その後、田浦梅林に向けて山道を下るが、行けども行けどもその標識が現れない。そこで、Tさんが傍の登山客に確認したところ、ずっと上に分岐点があるとか。今更そこまで引き返すのも大変なので、今回は梅の花観賞は諦め、田浦駅への道を下ることにする。 総歩数:約17,000歩、登りの厳しさ:▲~▲▲ |