*** 2011年11月26日 丹沢大倉尾根の紅葉 ***
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11月26日(土)、晴天に恵まれたので、紅葉を求めて大倉から丹沢"塔ノ岳"(標高1491m)に向かう。ガイドブックには、"塔の岳"は紅葉の名所とは記載されていないが、2010年6月2日、同コースから塔ノ岳を目指した際、"新緑の椛"を多く見かけたため、今回は"真紅の椛"を求めての再訪である。ただ、運よく絶景に出会えるか否かは、神のみぞ知るというところか。 10:20、大倉駐車場(標高280m)に到着する。ここは、上下二段の広大な収容スペースを有する施設であるが、本日は休日とあって手前の上段は満杯のため、下段に回り車を止める。10:33、早速身支度をして、同駐車場を後にする。車道を6分程進むと、杉林の奥に登山口が現れる。ここから緩やかな坂道を登って行くと、30分弱で分岐点に辿り着く。前回同様ここを左に折れ、自然豊かな"パノラマ展望台コース"を進む。鳥居"丹沢の門"を潜りぬけ、"大倉高原山の家"(標高約610m)を過ぎると、急に視界が開け、右手に椛の大木が現れる。今が見頃、真っ赤に色付いた紅葉が風にそよいでいる。一方、左手にも、色付き始めた椛が見られるが、この色合いの差は、日射量の違いによるのであろうか。ここで暫く紅葉撮影に熱中した後、更なる絶景を求めて、上部を目指す。 11:38、"見晴茶屋"(標高610m)に到着する。家族連れでも泊まれそうな、何ともモダンな建物である。ただ、フラット路が続いたせいで、結局高度は全く稼いでいないことになる。この前で、休憩を兼ねて軽くエネルギーを補給する。ここからは、本格的な急坂が始まる。ただ、足場の悪い個所には左右二本の木道が設けられており、その周辺を、色付き始めた椛が覆っている。遥か先には、正に目の覚めるような紅葉が垣間見える。ファインダーを覗くと、"椛のアーケード"の中を、登山者が整然と下山してくる。近づいてみると、何本もの椛の大木が、正に見頃を迎えている。これまでの椛は、少々黒ずんだ赤であったが、今回のそれは真紅であり、一番艶やかな色彩である。ここで、椛撮影に夢中になっていると、中高年の方が寄ってこられ、"良いカメラですね!今が見頃ですね!"と仰る。名実ともに良いカメラか否かは、後で色飽和をチェックするとして、仰る通り今がベストシーズンである。ここでレンズを交換しつつ、10数分も粘ったであろうか。そろそろ体が冷えてきたので、ザックに望遠レンズを押し込み、重い腰を上げる。だが、この先から更に傾斜がきつくなり、喘ぎながら登っていると、行きかう人から"もう少しで平坦になり、そこから見事な椛が1km程続きますよ。"と声を掛けられる。この方から元気を貰い、何とか急坂を登りきる。見上げると、八割方色付いた椛の大木が、目に飛び込んでくる。どうやら、昨年カメラに収めた椛と同一のようだが、艶やかな緑から赤を中心としたカラフルな色合いに変化している。先程の方の情報通り、ここから暫く椛が連続するが、残念がら先程のような大木の椛は見られない。 12:41、やっと"駒止茶屋"(標高約900m)に到着する。東側には、表尾根の三の塔(標高1205m)が望める。視角から判断しても、三の塔の方が明らかに高く見える。ここで小休止後、下山しようかとも考えたが、今度は富士の雄姿を求めて、行けるとこまで行くことにする。ここから、一旦下って、暫く平坦な痩せ尾根を進む。崖下には、色付いた黄葉が見られるが、画像を拡大してみると、"イロハモミジ"ではなく"ハウチワカエデ"のように見える。やはり、高度が増すにつれ、生態系が変化していくようである。 14:20、急階段を何とか登り切り、"花立山荘"(標高約1300m)に辿り着く。この時間帯になると、"山ガール"他派手な格好をした若者たちが、続々と下山してくる。私の体力では、これから塔の岳山頂を目指すには、時間的にも無理なので、ここで引き返すことにする。山荘の西側からは、箱根外輪山や西丹沢の山々の稜線が、墨絵のようにくっきりと浮かび上がって見える。同時に、"チンダル現象"も起き、神々しさを倍加させている。やはり、ここまで苦労して登ってきた甲斐があったと言える。遥か遠くに霞んで見えるのは、先日登った"愛鷹山"であろうか。だが、その北側に位置する富士は、山頂部分を垣間見せたあと、瞬く間に雲間に隠れてしまう。ここで、雲が晴れるのを期待して10分程粘ったが、状況が好転しないので、ここから下山を決める。 《総歩数:15,763歩,登りの厳しさ:大倉~駒止茶屋(▲~▲▲),堀山の家~花立山荘(▲▲▲~▲▲)》 |