*** 2012年7月22日 草津白根山のコマクサ ***

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1.ミネヤナギ 2.ナナカマドの紅葉 3.ゴゼンタチバナ1 4.ゴゼンタチバナ2 5.ハクサン
シャクナゲ1
6.ハクサン
シャクナゲ2
7.強風で変形した樹
(逢ノ峰)
8.エゾニュー 9.キク科の花
(フランスギク)
10.本白根山へのリフト
11.本白根山への
登り1
12.本白根山への
登り2
13.本白根山への
登り3
14.ツマトリソウ1 15.ツマトリソウ2 16.ツマトリソウ3 17.本白根山
旧火口1
18.本白根山
旧火口2
19.本白根山
旧火口3
20.コマクサ1
(群落1)
21.コマクサ2
(群落1)
22.コマクサ3
(群落1)
23.コマクサ4
(群落1)
24.コマクサ5
(群落1)
25.コマクサ6
(群落1)
26.コマクサ7
(群落1)
27.コマクサ8
(群落1)
28.コマクサ9
(群落1)
29.コマクサ10
(群落1)
30.コマクサ11
(群落1)
31.コマクサ12
(群落1)
32.コマクサ13
(群落1)
33.コマクサ14
(群落1)
34.コマクサ15
(群落1)
35.コマクサ16
(群落1)
36.コマクサ17
(群落1)
37.コマクサ18
(群落1)
38.コマクサ19
(群落1)
39.コマクサ20
(群落1)
40.コマクサ21
(群落1)
41.コマクサ22
(群落2)
42.ヒメシャジン
(群落3)
43.コマクサ23
(群落3)
44.コマクサ24
(群落3)
45.コマクサ25
(群落3)
46.コマクサ26
(群落3)
47.コマクサ27
(群落3)
48.コマクサ28
(群落3)
49.コマクサ29
(群落3)
50.コマクサ30
(群落3)
51.コマクサ31
(群落3)
52.コマクサ32
(群落3)
53.コマクサ33
(群落3)
54.コマクサ34
(群落3)
55.コマクサ35
(群落3)
56.コマクサ36
(群落3)
57.コマクサ37
(群落3)
58.コマクサ38
(群落3)
59.コマクサ39
(群落3)
60.コマクサ40
(群落3)
61.コマクサ41
(群落3)
62.コマクサ42
(群落3)
63.コマクサ43と
コキンレイカ
(群落3)
64.コキンレイカ
(群落3)
65.本白根山
展望所への道
66.本白根山
旧火口4
67.大山さん
(本白根山展望所)
68.コマクサ44
(群落4)
69.ハイマツ帯の
登山道
70.テガタチドリ

 7月中旬、偶々テレビを見ていたところ、日本百名山の一つ・草津白根山(標高2165m)の見事な"コマクサ"を放映している。何でも、高山植物の女王"コマクサ"が山頂付近を覆い、今が丁度見頃とか。そこで、このタイミングを逃してはなるまいと、富士山登頂を果たしたばかりの大山さんを誘ったところ、22日以降の週であれば都合がつくとか。よって、22日/23日の両日、軽トレッキングを兼ねて、草津白根山/志賀高原を訪れることにする。所で、"コマクサ"と言えば、約3年前に室蘭のYさん宅で、白花を撮影したことがあるが、自然の大群落に接するのは、勿論今回が初めてである。一方、吾妻森林管理署のHPによれば、数十年前には盗掘により絶滅寸前にまでなったが、草津中学生徒や地元有志の地道な活動により、見事に復元されたとか。盗掘など論外であるが、登山客/観光客自身も、ストックや三脚でこの景観を破壊することがないよう、細心の注意を払うべきである。
 8:10、ナビをセットし、落ち合い場所の草津白根レストハウス(標高2000m)に向かう。距離にして約250㎞、ルート検索では約5時間とでたが、本日は休日、途中で渋滞に巻き込まれることもなく、実質約4時間で同駐車場に到着する。早速大山さんに連絡を試みるが、何故か携帯が通じない。そこで、登山支度をしてレストハウスに向けて歩き始める。程なく大山さんと合流し、ここから約4km先のコマクサ群生地を目指す。所で、冒頭にも紹介した通り、大山さんは、富士山五合目から山頂まで、一日で往復した強靭な体力の持ち主であるが、私など2月の筑波山以来、山はとんと御無沙汰している。だが、今回は、草津白根山の緩やかな尾根を縦走するコースで、私でも何とか踏破出来そうである。
 12:50、本白根山に向け登山を開始する。先ず、逢ノ峰(標高2110m)に勇んで登り始めたものの、途中で息切れし中々ピッチが上がらない。ふと足下に目を遣ると、"ゴゼンタチバナ"が道端を覆い、色付き始めた"ナナカマド"も姿を見せており、秋にはさぞかし見事な紅葉に変貌すると思われる。下りにかかると、一転して草原(スキー場)となり、"ニガナ","ハルジオン","ヒメジオン"等の外来種が、幅を利かせている。また、No.9の写真の通り、大ぶりの白菊も見られるが、これも外来種(Aさんによると"フランスギク")に間違いなかろう。だが、中には背高な"エゾニュー"も見られ、これは北海道に多く見られる植物である。何れにしても、元々は、牧草の"クローバ"に交じって渡来したのであろうが、白根山全体が外来種で覆わないことを願うばかりである。逢ノ峰を下りきると、本白根山に通じるリフトが現れる。だが、本日は視界不良のせいもあってか、閑散としている。そこで、大山さんが、コマクサの開花状態を係員の方に聞いたところ、今が正に見頃とか。
それを聞いて気が焦るが、我々は当然このリフトを使わず、山道を進むことにする。樹林帯に入ると、"モミ"の葉に似た樹が多くなる。見れば、"シラビソ"の名札が掛かっており、北海道に多い"トドマツ"と同じモミ属のようである。樹林帯を抜けると、枯木が目立つようになり、その一帯を熊笹がびっしりと覆っている。
多分酸性雨の影響と思われるが、何とも痛々しい。足元に目を転じると、真っ白な花が目に留まる。花弁は殆どが7枚であるが、中にはNo.16の写真のように8枚のものも見かけられる。これは、四ツ葉のクローバの如く、珍しいものであろうか。別途WEB上で調べたところ、"ツマトリソウ"とか。
 14:26、最後の坂を登りきると、急に視界が開け、広大な旧火口が眼前に迫る。右手の砂礫地帯には、色取り取りの"コマクサ"が大群落を作っている。正に絶景、ここでじっくり腰を据えて、この可憐な姿を順次カメラに収めることにする。それにしても、赤からピンクまで、一体何株あるのであろうか。圧巻は、急傾斜のガレバに咲くピンクのコマクサであるが、生命力旺盛なイタドリをも凌駕している。何れにしても、ここまで回復させるのに、厖大な労力と時間がかかったであろう。
改めて関係者の皆様の御尽力に敬意を表したい。一方、望遠レンズで"コマクサ"を覗くと、食害されたような小さな穴が多く見られる。所で、"コマクサ"の天敵と言えば、"ウスバキチョウ"の幼虫が有名だが、この蝶の生存圏は大雪山に限定されている。してみると、穴をあけた犯人は、別にいることになる。空を見上げると、多くの小形の黒鳥が舞っており、背後からも「"コマクサ"と共に、"イワヒバリ"も戻ってきた。」と話す声が聞こえてくる。そこで、改めてネット上で検索してみると、"イワヒバリ"が"コマクサ"を突くシーンが公開されており、この鳥が犯人と見るのが順当な線であろう。でも、花を食べつくすウスバキチョウより、余程可愛げがあるのではなかろうか。
 15:06、旧火口での撮影を十分堪能したので、次の群生地に向かう。ガイドブックによれば、新火口に向かう尾根道には、更に大規模な群落があるとか。だが、途中の平坦地にもコマクサが群生しており、旧火口から新火口にかけての略全域が、大群生地になっているようである。ただ、新火口周辺は、やや標高が高いせいもあってか、開花したばかりのコマクサが、みずみずしい姿を見せている。唯一残念であったのは、白花のコマクサに出会えなかったことであるが、これは次回に取っておきたい。16:12、満ち足りた気分で群生地を後にする。
 今回は高山植物の女王"コマクサ"を求めて、急遽大山さんと共に草津白根山を訪問した。出発前は、精々数枚の写真が撮れれば良いと思っていたが、予想に反し、百数十枚もの可憐な姿を、カメラに収めることができた。機会があれば、"大雪のコマクサ"も狙ってみたい。

総歩数:約17000歩
登りの厳しさ:▲

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