*** 2012年7月23日 志賀高原四十八池&白根山湯釜 ***
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7月23日(月)、前日の草津白根山では思いのほか苦戦し、大山さんには御迷惑をかけたが、永年の夢が実現し、今朝は爽やかな目覚めを迎える。早速、大山さんと本日のスケジュールについて最終打合せを行う。その結果、先ず"熊の湯温泉"の前山リフトで"志賀高原自然歩道"入口まで行き、そこから"四十八池湿原"を目指すことにする。また、体調が良ければ、この湿原の東に聳える裏志賀山(標高2040m)にも挑戦することとする。所で、志賀高原は、スキーリゾート地として有名であるが、大山さんもいすゞ時代に、職場の仲間と共に、"熊の湯"スキー場に来た覚えがあるとか。私自身も、ここから約10㎞北の"発哺(ほっぽ)温泉"スキー場に、数度行ったことがあるが、夏場に志賀高原を訪れるのは、二人共始めてである。 8:27、チェックアウトを済ませ車に向かおうとしたところ、何と係の方が車まで荷物を運んで下さるとか。約二年前の北海道旅行の際もそうであったが、プリンスホテルは、実に対応が細やかで好感が持てる。序に、ホテル入口での記念撮影をお願いしても、気軽に応じて下さる。8:30、ホテルを出発する。ここから白根山の分岐点まで登り、そこから"熊の湯温泉"に向けて葛篭折りの道を下って行く。40分程で前山リフトに到着したが、周辺は多くの登山客や小学生の団体でごった返している。どうやら、この地域一帯が、夏場は林間学校や湿原探訪の基地となっている模様である。この分だと、周辺には駐車できないと思ったので、少し下った広場に駐車し、そこからリフト乗場に向かうことにする。この間、駐車場探しに少々もたついたことが幸いして、リフト乗場には先程の団体客の姿は無く、黄帽を被った小学生達が順番を待っている。ここでは、少々待たされたが、僅か5分で100m余りを稼げるのは有難い。前山リフト終点からは、急峻な"笠ヶ岳"(標高2075.7m)が望める。標高自体は、裏志賀山と大差ないが、山頂付近は巨石が露出しており、成因に興味が湧くと同時に、登山意欲を駆り立てる山容である。 だが、今回は"四十八湖湿原"を優先する関係で、登頂は諦めざるを得ない。 9:33、ここからいよいよ"志賀高原自然歩道"が始まる。"四十八池湿原"まで距離にして約4㎞、約45分の行程である。最初の前山湿地帯では、"ワタスゲ"が見頃で、湿原全体に広がっている。その根元には、"モウセンゴケ"も確認できるが、"ワタスゲ"に負けてしまっている感がある。こうして、湿原の写真を撮っている間にも、次から次と小学生達がリフトから降りてくる。これに巻き込まれては大変と、少しピッチを上げるが、"渋池"ではついに追いつかれてしまう。聞けば、埼玉県鴻巣市からとか。若い先生に引率されての団体行動だが、早足で整然と歩いている。だが、ここでは暫し立ち止まって、一緒に理科の勉強をする。引率の先生によると、浮島が黄色く見えるのは、密生する"モウセンゴケ"のせいとか。成程ズームアップすると、"モウセンゴケ"が確認できる。ここから緩やかな坂道 を登って行くと、道端の岩穴に"ヒカリゴケ"が見られる。順番待ちで、急いでオートシャッターを切ったが、肝心の"ヒカリゴケ"がボケテしまっている。ここは帰路に、じっくりとマニュアルで撮影するしかあるまい。少しピッチを上げると、別の小学生の団体に追いつく。今度は、埼玉県春日部市からで、僅か2時間程度で着いたとか。所で、春日部市といえば、"クレヨンしんちゃん"で有名になったが、その作家・臼井儀人氏は、2009年秋に"荒船山"で、不慮の死を遂げている。 だが、彼の死後もアニメの放映は続けられ、現在にいたっている。"クレヨンしんちゃん"は中国でも人気があり、永年に渡って著作権/商標権両面で裁判沙汰になっていたが、本年相次いで中国側に勝訴している。それに対し、アップル社は、iPadの商標権問題で敗訴し、6000万ドル(約48億円)もの和解金を払っている。 同社は、名を捨てて実を取った格好だが、どちらが正面かは言うまでもなかろう。話が横道にそれたので本道に戻る。そうこうするうちに、木々の間から湿原を行く児童達が垣間見えてくる。いよいよ、"四十八池湿原"に近づいた訳である。 10:16、"四十八池湿原"の探訪を開始する。湿原を走る木道の先には、裏志賀山が鎮座している。実に存在感があり、急に挑戦してみたくなってくる。木道の直ぐ傍には、小形の"アヤメ"が開花している。一見すると園芸種のようであるが、別途ネット上で調べたところでは、高山の湿地帯に自生する"ヒオウギアヤメ"のようである。湿原の浮島には、先程の渋池同様、"モウセンゴケ"が群落を作っている。また木道周辺には、"バイケイソウ"や大ぶりの"ミズバショウ"が見られる。どうやら、"ミズバショウ"は花期を終えると、大型化するようである。写真を撮りつつ30分程進むと、裏志賀山と大沼池との分岐点が現れる。私自身も少し慣れてきたので、山頂からの絶景を求めて、裏志賀山へのルートを取ることにする。ここからの標高差は160m、所要時間30~40分というところか。だが登り始めた途端、山頂付近を雲が覆い始め、その内完全に隠れてしまう。また、途中から傾斜がきつくなり、最後はロープの連続となる。それでも、略予定時間内で山頂に到着する。たが、残念がら山頂からは全く視界が利かない。代わりに、眼下の大沼池辺りから、小学生の歓声が聞こえてくる。ここに留まっても意味が無いので、山頂で記念撮影をして、早々に下山する。山頂尾根には、前日の草津白根山同様枯木が目立つ。だが、周辺には火山ガスを噴出する活火山は無いので、やはり酸性雨の影響であろう。ここから、"四十八池湿原"を経由して、元来た道を駐車場へと戻る。次は、帰路草津白根山の"湯釜"に立ち寄ることにする。昨日は時間の関係でスキップしたが、本日は時間を取って、神秘的な湖面を写真に収める所存である。 14:15、レストハウス駐車場から"湯釜"を目指す。ここからは、"湯釜"は目の前に見えるが、それでも標高差は100m程度あり、20分程度はかかりそうである。 登山口には、多くのストックが置いてあり、誰でも自由に使えるようになっている。この坂道を何とか登り切ると、雄大な"湯釜"が眼前に広がる。湖面の色は、観光協会の案内には、"エメラルドグリーン"とあるが、むしろ"ライトブルー"に近い。一方、Wikipediaによると、湖水は塩酸や硫酸が溶け込んだpH1の強酸性で、生物の生存を許さない世界とか。望遠で覗いてみても、火口の壁面は、酸性に強い"イタドリ"でさえ生存できそうにない、荒々しい姿を見せている。目を西方に転じると、昨日登った本白根山への尾根が、延々と続いている。機会があれば、別の季節に、再訪したいものである。そろそろ下半身が悲鳴を上げてきたので、用心して駐車場へと下る。 今回は22日/23日の両日、大山さんと共に草津白根山/志賀高原を訪問した。私の体力不足で、大山さんには御迷惑をかけたが、帰路の途中立ち寄った蕎麦屋では、"ヨセミテ"の海外トレッキングの話も持ち上がり、今後それに耐えうる体に作り変えて行きたい。 総歩数:約16000歩 登りの厳しさ:▲ |