*** 2013年10月14日 安達太良山 ***
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10月14日(月)/15日(火)の両日、福島の秋を求めて、大山さんと共に安達太良山(標高1700m)/浄土平/裏磐梯五色沼を探索する。今回は距離の関係で、私は東北新幹線で郡山駅まで行き、大山さんにピックアップして頂くことになる。当初は、三連休を避けた1日遅れの計画であったが、台風26号襲来に伴ない、急遽変更を余儀なくされる。ただ、14日は三連休の最終日であり、日本百名山の一つである安達太良山周辺は大混雑が予想されるが、その時はその時で、腹をくくるしかあるまい。 11時前となり、郡山駅が近づくにつれ、進行方向左手に雄大な双耳峰が望めるようになる。すわ磐梯山と思いきや、これが目指す安達太良山のようである。中々登山意欲を駆り立てる、見事な山容である。大山さんとは郡山駅で無事合流し、ここから大山さんの愛車(日産X-TRAIL)で国道4号線を北上する。本宮ICで東北自動車道に入り、二本松ICで高速を降りた後は、長閑な山間地を走ることになる。岳温泉街を過ぎ、山岳道路を進むと、暫くして大渋滞にぶつかる。ナビによると、渋滞4㎞とか。 業を煮やした観光客が次々とUターンして行くが、焦ったところで仕方がないので、この間に我々は昼食のおにぎりを頬張る。結局、大駐車場手前の道路脇に空きスペースを見つけ、ここからゴンドラ山麓駅に向けて歩きはじめる。駅に到着してみると、渋滞の原因はゴンドラではなく駐車場待ちと判明したが、几帳面な大山さんが作成した計画表に対して、既に1時間強の遅れとなっている。 13:40、10分程でゴンドラ山頂駅に到着する。大山さんによると、係員の方から、本来の最終は16:20であるが、本日は登山客が多いため、16:00まで戻るように言われたとか。所で、ここから安達太良山山頂までの標高差は350mあり、休憩時間を除いて往復2時間半は優に掛るので、この分だと、登頂は極めて困難と言わざるを得ない。 それでも、折角ここまで来たので、兎に角行ける所まで行くことにする。なだらかな木道を暫く登ると、薬師岳展望台への分岐点が現れる。そこで暫し道草して、展望台に向かうことにする。だが、ここは黒山の人だかりで、じっくりと腰を据えて撮影出来ないので、早々に標準ズームで周辺の山々を撮影して、この場を離れる。なお、眺望は雄大だが、紅葉は今一つというところである。登山道に戻り、延々と続く灌木地帯を黙々と登って行く。視界が効かずストレスがたまるが、ふと足下に真っ赤な実が目に留まる。また、その一部には小動物による食痕も見うけられる。これを早速撮影していると、下山中の女性の方が足を停められる。相談の結果、"コケモモ"の実ではということになったが、何となく色形とも違うような気がする。灌木の中には、真紅の"ナナカマド"が彩りを添えている。その後も、"ナナカマド"の木が多く見られるが、どの葉も縮れ、艶やかな実のみが目立っている。そう言えば、今年は知床でも、ナナカマドは紅葉することなく縮れてしまったとか。これが猛暑の影響か否か不明だが、薬師岳展望台からの景色が何となく赤茶けて見えたのは、このせいであろう。この先も、視界が効かない山道が延々と続き、小休止する場所も見当たらない。仕方がないので、撮影の合間に立ち止まって、暫しの休憩を取る。 14:38、仙女平(標高1555m)に到着する。この辺りから、やっと眺望がきくようになり、この先の休憩場所では、5~6人の登山客が談笑している。だが、我々は先を急ぐため、素早く標準ズームで安達太良山他を撮影して、この場を立ち去る。ここからは、安達太良山山腹も褐色が目立ち、紅葉の季節は既に終わった感がある。この先から最後の急登が始まる。用心してステップを切っていると、巨石の陰に、泥まみれになった"オヤマリンドウ"を発見する。心ない登山客に見つかり、摘み取られないことを願うばかりである。更に黙々と登っていると、今度はダルマに似た半透明の真紅の実が目に留まる。実にユニークな形をしており、別途ネット上で名前を特定するしかあるまい。この名は、後日"オオヒョウタンボク"の実と判明する。 15:10、森林限界を超えると、砂礫地帯が広がり、その中に真っ赤な"ドウダンツツジ"が点在している。そこで、この場所から、レンズを交換しつつ、山腹の紅葉を狙うことにする。前述の通り、やや色あせた光景ではあるが、代わりに"ダケカンバ"と思しき黄葉が彩りを添えている。次に、竜山を超望遠の420mmで狙うと、山自体が細かな岩石で構成されていることが分かる。多分安山岩質の溶岩が、凝固する際に砕けた結果であろうが、北海道ニセコのイワオヌプリ(2009年10月19日参照)の山容と酷似している。撮影の間にも、多くの登山客が次々と下山してくるが、数分で遂に途絶えてしまう。私の時計(TISSOT-Touch)を見ると、標高1650mを指しており、残り約10分の行程と言うところか。ふと羊蹄山初登頂(2008年9月18日参照)の悪夢が甦る。当時は、念願の登頂は果たしたものの、復路五合目付近で日没を向かえ、以降暗闇の中、何度も転倒しながらの下山となった。今考えてみても、無事帰還できたのが不思議でならない。そこで、大山さんと相談の結果、残念ながら、ここで引き返すことにする。 15:18、交換レンズをザックに押し込み、早々に下山する。暫くすると、足下に直径5mm程のリンドウが目に留まる。良く見ると、ゴンドラ山頂駅付近で見かけた赤い実も、ツルで繋がっている。してみると、先程の赤い実は、"ツルリンドウ"の果実ということになる。それにしても、花に似ぬ大きさである。ここから、脱兎の如き早さで下山する。数分で最後尾に追いつくと、その先が人の数珠で繋がっている。人気の山だけあって、往路復路共渋滞に巻き込まれたことになる。ただ、このスローペースで下って行って、万一時間に間に合わなくても、まさかゴンドラ会社が客を置き去りにはしないと考えられるので、安心して人の流れに身を任せることにする。 今回は、東北の秋を求めて、先ず福島の名峰安達太良山に初挑戦した。生憎、道路渋滞に巻き込まれたせいで、登頂は果たせなかったが、これは次の機会にリベンジを果たしたい。 総歩数:約10,000歩 登りの厳しさ:▲ |