*** 2015年10月27日 榛名山の秋 ***
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10月27日(火)/28日(水)の両日、何時もの大山さんと、群馬県の名峰"榛名山/至仏山"にチャレンジする。昨年は、"妙義山"登山後に、ロープウェイにて"榛名山(標高1391m)"を訪れる予定であったが、"妙義山"踏破に予想外の時間を要し、"榛名山"は時間切れとなったため、今回がそのリベンジに当たる。ただ、"榛名山"は、"富士山"同様、離れて見てこそ美しいので、先ず最高峰"掃部ヶ岳(かもんがだけ,標高1449m)"から、その雄姿を写真に収めたのち、ロープウェイで榛名山山頂を目指すことにする。 9:50、新湘南バイパス入口手前で渋滞した関係で、待ち合わせ場所の榛名湖市営駐車場には、約20分遅れで到着する。大駐車場には一台の車も見られず、怪訝に思っていたところ、大山さんが此方に向かって歩いてくる。どうやら、私が隣の駐車場と間違えたようであるが、何れにせよ、この広大な駐車場を保有するホテルの宿泊客は、ゼロということになる。結局、大山さんを数十分も待たせる結果にはなったが、それでも、今回は"圏央道"を利用した関係で、従来のルート(横新⇒首都高⇒環八⇒関越)に比べて、30分以上も短縮できたことになる。もし最初の渋滞が無ければ、一時間程度も短縮できそうなので、帰路も"圏央道"を利用することにする。 10:08、山支度をして、愈々登山開始である。正に秋酣、駐車場周辺でも、艶やかに色付いた"イロハモミジ"が見られる。"ウリハダカエデ"と思しき紅葉の下から山道(標高1104m)に分け入り、緩やかな雑木林の斜面を登って行くと、カラフルな落葉が目に留まる。真紅の丸葉は"ハナノキ"であろうか。ただ、"クロモジ"や"イロハモミジ"の黄葉の中を登るにつれ、欠伸が連発しだしたので、大山さんに先頭を譲り、スローペースで一歩一歩登って行く。車でいきなり高地まで来て、準備体操もせずに登り始めたせいで、酸欠状態になってしまったのであろう。結局、"硯岩(すずりいわ,標高1251m)"直下の鞍部で、大山さんと行き交うこととなったが、再度一緒に"硯岩"に向かう。 11:05、やっと"硯岩"に辿り着く。眼前には、正に息をのむような絶景が広がっている。20mm超広角で狙うと、優美な"榛名富士"と紺碧の"榛名湖"が、旨くファインダー内におさまる。また、東岸からは、白鳥形の遊覧船が、美しい波紋を描きつつ、こちらに向かってくる。近づくにつれ、聞き覚えのある"湖畔の宿"の曲まで流れて来るが、湖自体は意外と小さく、これだけで観光客を集めるのは、中々至難の業に思える。ここで15分程度休息したであろうか。この絶景に元気を貰ったせいか、以降はピッチも上がり、大山さんも驚いている。緩やかな登山道を登って行くと、南側斜面に紅葉/黄葉の大木が多く見られるようになる。そのうち、山道近くにも、色取り取りの木々が現れ、順次足を停めて撮影する。改めて、オリジナル画像を拡大してみると、紅葉が"イヌシデ"、黄葉が"ハウチワカエデ"のようである。山頂近くになると、懐かしき"カラマツ"の黄葉が現れる。Wikipediaによると、この松は漢字で"唐松"と書くが、実は日本の固有種とか。私も、嘗て室蘭に単身赴任時は、秋深くなると何処からともなく落葉が飛来し、車の各所に詰まって、往生したのを思い出す。ただ、この樹は、愛らしき"エゾリス"の住み家にもなり、冬眠から覚めたエゾリスが、樹から下りて来て、残雪の中を駆け回る姿を、何度か見かけたことがある。 12:29、"掃部ヶ岳"山頂に到達する。榛名山側の眺望は、今一つである代わりに、上州の雄大な山並みが、水墨画のように霞んで見える。大山さんが、目敏く"妙義山"を見つけ、歓声を上げているが、ファインダーからも、鋸歯のような山容が確認できる。超望遠に交換すると、荒々しい岩肌が眼前に迫るが、レンズを更に上に傾けると、台形状の山が現れる。これが、大山さん等が今年訪れた"荒船山(標高1423m)"であろうか。改めて画像を眺めてみると、その名の如く"荒波によこたう船"に見えなくもない。更にその右手には、広大な裾野を広げた高峰が望める。ファインダーからも、山頂付近から流れ下る噴煙が確認できるので、これが彼の"浅間山(標高2568m)"に間違いなかろう。なお、当初の計画では、ここから更に外輪山を巡って、下山する予定であったが、明日の"至仏山"に備えて体力を温存するため、元来た道を下ることにする。 14:30、紅葉を撮りつつ登山口まで戻ってくると、閉鎖中の"榛名吾妻荘"の庭木が、真っ赤に色付いている。近寄ってみると、"ニシキギ","ドウダンツツジ,"ヌルデ"が混在しており、庭木として植えられたものであろう。私自身は、"ヌルデ"の紅葉を見るのは初めてだが、"ヤマウルシ"のように毒々しくはなく、触っても大丈夫そうに見える。ネット上の"四季の山野草"にも、「ヌルデは、ウルシのようにかぶれることがないので、道路わきや公園など、人が近づく場所に植えられ、身近に見ることができる。」とある。ここ1~2週間後には、多くの観光客に見られることなく散ってしまうことを考えると、一抹の寂しさを覚えるが、これは人間の欲望が破綻した結果である。芭蕉の句を捩ると、「"秋草"や、兵どもが、夢のあと」というところであろうか。このあと、湖畔から優美な"榛名富士"を撮りつつ、榛名湖ロープウェイ駅に向かう。 総歩数:約10,500歩 登りの厳しさ:▲~▲▲(登山口~硯岩鞍部)、▲(それ以外) |