*** 2010年5月25日 金時山 ***
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4月25日(水)、久々に好天に恵まれたので、箱根・金時山(標高1213m)に出かける。改めて、HPをチェックしたところ、前回が2001年11月28日なので、約8年半ぶりの登山となる。 9:20、南足柄に向けて車を走らせる。平日のため高速を選択せず、国道246を走るが、途中何度も渋滞に巻き込まれたせいで、連絡バスの終点となる地蔵堂には、12時過に到着する。以前は、ここから金時山の麓まで車で行けたが、何とこの先は閉鎖されている。ここからだと、金時山山頂まで徒歩で4時間はかかろうか。往復を考えると、登頂はどう考えても無理である。まあ、行ける所まで行こうと、仕切り板を乗り越え登り始めると、この道下に立派な新道が足柄峠へと続いている。以前は無かったはずだが、時の経過を実感する。結局、Uターンして車で金時山を目指す。 登山口となるゲート前に着いたのが13:10、周辺一帯を自衛隊の装甲車が占拠している。すわ何事かと辺りを見回すと、立派なパラボラアンテナやテントもあり、富士演習場辺りから大砲の音も聞こえてくる。どうやら、ここは実弾演習の司令部と化したようである。まあ、物騒なことには立ち入らないで、身支度をして山道に分け入る。正に春たけなわ、新緑の若葉が目に染み入るようである。また、道端には、スミレ,クサボケ他が花開き、被写体には事欠かない。しかしながら、撮影する度に立ち止まるので、中々金時山が見えてこない。それでも、展望の利く猪鼻砦跡には、13:40に到着する。ただ、生憎の天気で、名峰富士は雲間に隠れたままである。鞍部を過ぎると、日当たりのいい場所に、真青な星型の花が咲いている。正に吸い込まれそうな青さで、実に気になる存在である。暫く進むと、今度は真赤な"ヤマツツジ"が風に揺れている。ここでも、大分撮影に時間を費やしたが、14:20、やっと本来の登山口といえる階段下にたどり着く。これから、愈々急登が始まるわけである。喘ぎながら中間点迄くると、潅木の中に濃紫色のツツジが目に留まる。休憩を兼ねて、じっくりとこの光景を、超望遠の420mm(300mm×1.4倍エクステンダ)で撮影する。ファインダーからも、長い着け睫のような雄花が確認できる。本数からして、"ミツバツツジ"であろうか。撮影を終え、登りを再開すると、一人の男性の方とすれ違う。私の撮影ぶりを御覧になっていた模様で、「いい写真が撮れましたか?」と声をかけられる。見ればNikon製の立派なカメラを、首から掛けられており、どうやら私と同じ趣味の方のようである。また、周辺の動植物にもお詳しい模様で、"エビネ"他聞きなれない名前が次々と出てくる。そこで、先程の星型の花の名を伺ってみると、"ホタルカズラ"と即答される。名をY.Oさんとおっしゃり、WEB上でも写真を公開されているとか。実にさわやな方である。結局、10分程も立ち話をしたであろうか、再会を願ってお別れする。暫くすると、前を行っていた中高年の女性が、奇声を発して立ち止まっている。見れば、体長30~40cmの赤蛇が、道を横切って行く。折角なので、その後を追って数枚撮影する。そう言えば、以前もこの辺りで、小型の蛇が手すりに絡まっていたので、ひょっとして蛇の通り道であるかも知れない。そうこうするうちに、地元の方と思しき男性が下山してこられたので、先程の蛇の写真を見せると、"ジモグリ"と言う名の人畜無害の蛇とか。ただ、この方によると、同じ赤蛇の"ヤマカガシ"には、マムシの10倍の毒があり、秦野では死者まででたとか。私も、以前箱根・駒ヶ岳山中で、この蛇に出くわしたことがあるが、黒地に赤の斑点がある、いかにも毒蛇という感じであったと記憶している。山頂近くまで来ると、今度は"シロヤシオ"の群落が現れる。塔ノ岳や桧洞丸程の大群落ではないが、中々絵になる光景である。 15:00、やっと金時山山頂に到達する。ただ、カルデラ辺りから猛烈な風が吹き上げ、そのうち山頂周辺も雲に覆われてていく。早々に退散しようと思っていたところ、山頂直下の崖淵に、色艶やかな"ミツバツツジ"が目に留まる。用心して、その傍まで行ったが、強風に揺れているため、中々シャッターチャンスが訪れない。そこで、強引に1/2500秒でシャッターを切り、その場を離れる。ここから元来た道を急いで下る。今回は、久々の金時山であったが、色々楽しい出会もあり、来た甲斐があったと言える。改めて、金時山の神に感謝したい。 《後日談》帰宅後メールをチェックしたところ、早速Y.Oさんからメールが届いていた。それによると、神奈川県自然公園の指導員をされているとか。どおりで、植物にお詳しいわけである。私も、この出会いを契機に、何らかの形で、自然保護に協力できればと思う。 |