*** 2011年11月2日 名峰富士と愛鷹山の紅葉 ***
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11月2日(水)、好天に恵まれたので、略半年ぶりに愛鷹山(あしたかやま)を目指す。前回は、生憎の天気で、愛鷹山の正面に位置する富士山は、雲間に隠れたままであったが、今回はリベンジを期しての出発である。また、ガイドブックによると、愛鷹山は紅葉も見事とか。従って、今回は富士の絶景と愛鷹山の紅葉を求めての登山となる。ただ、この半年間、登山は全く行っていないので、体力に不安を残しながらの出発である。 8:40、自宅横浜を後にし、一路厚木ICを目指す。相模川手前では、それなりの渋滞に巻き込まれたが、東名高速に入ると快適なドライブが続く。大井松田を過ぎた辺りから、雲一つない富士山が姿を現す。全体に靄がかかっているようだが、今回はどうやらリベンジを果たせそうである。御殿場ICで高速を降り、469号線を西に30分程走ると、正面に愛鷹山の双二峰が現れる。この向かって右手が、今回挑戦する最高峰の越前岳(標高1504m)である。進行方向の右側には、紺碧の空をバックに、優美な富士山が鎮座している。こちらは、後でじっくり拝見するとして、先ずは越前岳登山口となる十里木駐車場へと急ぐ。 11:00、早々に身支度をして、登山を開始する。最初の急階段の右斜面では、ススキの穂が風に揺れ、長閑な雰囲気を醸し出している。また、階段左脇には、リンドウ他が、可憐な姿を見せている。この花々の写真を撮りつつ、何とか20分弱で登りきり、十里木展望台に駆けあがる。ここからは、完全シンメトリーの富士山(標高3776m)が、優美な姿を惜しげもなく見せている。それにしても、何と雄大な裾野であろうか! やはり、20mm超広角を持参した甲斐があったと言える。因みに、この画像から、裾野長/火口直径(700mm)の比率を計算してみると、25程度となり、裾野長さは17.5km以上に及ぶ。一方、火口直径が同一の羊蹄山(標高1898m(2008年9月14日撮影))に当て嵌めてみると、比率は12.5となり、裾野長も富士山の半分程度となる。つまり、富士山の上半分が、丁度羊蹄山に相当することを表している。 次に、420mm超望遠に交換すると、昨年夏(2010年8月24日参照)訪れた宝永山が、眼前に迫る。噴火口は3つ確認でき、最上部の第一火口が最大であることがわかる。 また、第一火口最頂部は、山の岩盤が露わになっており、もし宝永4年(1707年)の噴火が長引いておれば、山頂部分が吹き飛んでも、おかしくなかったと考えられる。 こんな空想に耽っている間に、体が冷えてきたので、撮影を切り上げ登山を再開する。 11:30、十里木展望台を後にする。ここから、なだらかな坂道を暫く進むと、台形状の越前岳が垣間見られるようになる。その先の灌木地帯には、"ナナカマド"の実が赤く色付いているが、北海道のそれに比べて、鮮やかさに欠けるように思える。また、登山道脇の草叢には、橙色の"マムシグサ"の実が目に留まる。こちらは、人間様には如何にも毒々しく写るが、鳥類にとっては魅力的な色合なのであろう。12:00、通称"馬の背"に到着する。遥か西側斜面には、艶やかな紅葉が点在している。ここから、いよいよ急登が始まるが、ピッチが全然上がらない。だが、ここで引き返すわけには行かないので、喘ぎながら黙々と登る。ふと沢に目をやると、色艶やかな紅葉が風にそよいでいる。まさか、そこまで降りは行けないので、この見事な光景を超望遠で撮影する。改めて、オリジナル画像を拡大してみると、葉形から、"ナナカマド"ではなく"カエデ"の一種と判別できる。更に、足場の悪い急斜面を登るうちに、欠伸を連発する状態になったので、水分を補給しつつ、スローペースで登る。 13:53、やっと越前岳山頂に到達する。平日だけあって、広い山頂には、一人の男性が休息しているのみである。所要時間は3時間弱、何と前回の1.5倍もかかったことになり、体力の衰えを実感する。ここで遅めの昼食を取ったあと、おもむろに腰を上げ、周囲の山々の紅葉撮影に取り掛かる。だが、残念ながら全山紅葉とはいかず、急斜面の一部が色付いているのみである。仕方がないので、富士山の絶景を求めて、尾根伝いに"富士見台"に向かう。この間、"位牌岳"の雄姿も狙うつもりであったが、結局灌木に遮られ不調に終わる。約20分で"富士見台"に到着する。立看板によると、岡田紅陽氏がここから撮影した写真が、50銭紙幣の図案になったとか。だが、この絶景ポイントの両側を枯木が覆い、意外と視界が利かない。これなら、十里木展望台からの眺望の方が、余程雄大である。そんな訳で、"富士見台"からの眺めは、やや期待外れであったが、帰路様々な富士山の雄姿を撮影出来たので、これで満足せねばなるまい。だが、越前岳が見え始めた所で、膝が痛みだし、ついに足が上がらなくなる。どうやら、最初の不安が的中する格好になったが、久々の登山で、膝の筋肉が疲労限界に達したようである。従って、帰路も適度に休息をとりつつ、足元に用心して下る。やはり、それなりの山に登るには、日頃のトレーニングが不可欠であろう。 今回は、富士の絶景と愛鷹山の紅葉を求めて、愛鷹山・越前岳に再挑戦した。富士見台まで足を伸ばした甲斐あって、様々な富士山の絶景を捉えることができ、有意義な一日となった。機会があれば、雪を被った富士も狙ってみたい。 登りの厳しさ:▲▲(十里木~越前岳),▲(富士見台~越前岳) |