*** 2013年4月12日 茨城県高峯の山桜と野花 ***
写真や下の文字をマウスでクリックすると大きく表示します。
4月12日(金)、桜川の山桜が見頃となったため、昨年同様大山さんと高峯山麓に向かう。WEB情報によれば、今年は桜の開花が例年より2週間も早く、第一陣は既に終了しているが、珊瑚礁のような第二陣が見頃とか。これが何を意味するか不明だが、第一陣が昨年(2012年4月19日参照)のように、全山が薄雲に覆われたような満 開状態だとすると、第二陣は、赤色の新芽と白色の遅咲きの山桜が、モザイクのようになった状態を指すのであろうか。何れにしても、この光景を写真に収めるのが楽しみである。また時間が許せば、高峯(標高519.6m)登頂を果たし、帰路水戸市近郊の"かたくりの里公園"も訪問する計画である。 7:35、ナビをセットし、待ち合わせ場所の笠間PAに向かう。距離にして157㎞、首都高速の万年渋滞を考慮すると、3時間弱というところか。だが、一部で渋滞に巻き込まれただけで、何と2時間15分で現地に到着する。早速大山さんに連絡すると、あと20~30分はかかるとか。そこで、何年振りかに車を清掃して、時間を潰す。 思えば、愛車(いすゞアスカ)も14年目を迎え、人間に例えれば"米寿"にも相当しようか。ただ、3月22日(金)、藤沢からの帰路、突然現れた"いすゞ117クーペ"に比べれば、未だに現役と言える。"いすゞ117クーペ"同様、更に長生きさせるには、日頃のメンテナンスが大切と言うところか。そんな余計なこと考えていると、日産のSUVに颯爽と乗った大山さんが到着する。早速、本日のコースについて相談した結果、"池亀"から"平沢"を巡り、最後に県道286号線の峠から"高峯"を目指すことにする。笠間西ICで高速を下り、国道50号線を西に向かっていると、各所で遅咲きの山桜が見受けられる。この分だと、"高峯の山桜"も、未だ大丈夫であろう。"池亀"への間道に入ると、車がやっとすれ違える道幅になったため、一旦池亀の中心部を抜け、高台の"五大力堂"前に駐車する。ここから、"池亀"集落に向けて徒歩で下って行くと、猫の額ほどの畑一杯に、"ナノハナ"が開花している。最近のテレビによると、これは菜種油を取るためではなく、鋤き込んで有機肥料にするためとか。成程、菜種油を採るには、狭すぎる広さである。緩やかな坂道を下って行くと、庭の回りを艶やかな芝桜で縁どられた民家が現れる。昨年同様、この丹精込めた庭の撮影に熱中していたところ、ある理由で急に手持無沙汰になった大山さんが、草取り中の老女と立ち話をしている。どうやらこの家の方のようであるが、そうこうするうちに、御自宅に招待されることになる。更に、丁度昼時とのことで、"茸どんぶり"も御馳走になる。また、同時に出された水が、全く癖のないのに驚いていたところ、これは、御子息が原発事故の残留放射能を心配して、お母さんのために、タンク交換式浄水器を買われた結果とか。成程、土間の隅には、20L程の丸型タンクが装着された浄水器と共に、3個のスペアタンクも並んでいる。それにしても、細やかな心配りで、何とも親切な方である。改めてお名前を伺うと、T.Kさんとか。先々月、大山さん/小林君と共に訪れた笠間市のご出身で、御歳82歳とのことである。これも何かの不思議な御縁であろうか。ただ、既に御主人を亡くされ、一人で丹精込めて、庭や周辺の畑を管理されている模様である。してみると、先程の菜の花畑は、T.Kさんの地所と言うことになる。結局T.Kさん宅には、四方山話をしつつ20分程滞在したが、来年の再会を願ってお別れする。改めて考えてみると、この爽やかな出会いは、大山さんの人徳によるものであろう。ここから、"五大力堂"の駐車場まで戻り、"高峯"の西側山麓にあたる"平沢"に向かう。 12:00、指定の駐車場に車を停め、ここから徒歩でビューポイントに向かう。毎日更新されるWEB写真をチェックした限りでは、民家と高峯の山桜のコントラストが何とも見事であるが、よく見ると、その下の畦道に芝桜が写っている。従って今回は、T.Kさん宅に引き続き、芝桜を強調した迫力満点の写真を目指すことにする。 道沿いの民家の前では、立話中のお二人の女性に出くわす。そこで、このビューポイントの場所を伺ったところ、家から"平沢地区山桜マップ"を持ってきて下さり、その御蔭で、この道を曲がった行き止まりが目的地と分かる。また、嘗てNHKで、"桜川の山桜"に関するドキュメンタリ―を見た話をしたところ、実は"BS日テレ"が正解で、その"高峯の山桜"の管理人とは、何と隣の家の方とか。更に、この番組中では、管理人の方が「山桜の維持管理が大切」と仰っていたが、実際は何もされていないとか。正に"平沢の情報通"と言うところで、どちらが正しいかは言うまでもないが、"BS日テレ"は演出過剰で、これではドキュメンタリーが聞いて呆れることになる。この番組に限らず、マスコミの情報は、演出や歪曲が付きものであり、大げさな話は試聴者自らが疑ってかかるべきであろう。一方、"国家の品格"では、藤原正彦先生が「マスコミが第一権力」と仰っていたが、こと国家の安全保障に関しては、マスコミ間でも意見の相違が有り、読者自らが数社を比較しつつ、何が正しいかを判断すべきであろう。何れにしても、親切なお二人の御蔭で、道に迷うことなく、第二の目的を十二分に達成できたことになる。ただ、大分道草したので、個々の写真の説明は省略する。 13:10、念願のビューポイントでの撮影を終え、駐車場に戻っていたところ、手前の交差点で、相模ナンバーのHV車が急停止し、平沢林道への抜け道を聞かれる。 この女性によれば、本日12日まで、平沢林道の車両通行が可能だとか。そこで、先程頂いたマップを元に、平沢林道へのルートを説明する。所で、事前に我々がWEB上で調べた限りでは、既に8日から通行禁止になっているはずだが、これが事実とすると、高峯山頂への時間が随分短縮できることになる。よって、急いで駐車場に戻り、近くの店の方に改めて確認したところ、先程の情報に間違いないことが判明する。そこで、大山さんの車で、この葛篭織の道を、高峯尾根の鞍部へと向かう。ここの駐車場は、既に10台程の車が占有していたが、幸運にも空きスペースを見つける。大山さんを車に残したまま、急いで直下の山桜を撮影したあと、第二展望台に昇る。 ここからは、様々な色合の山桜が望める。やはり、里から眺めるよりカラフルで立体感もあり、これが名実共に"森の珊瑚礁"であろう。遥か遠くには、筑波山の双耳峰が望める。ふと、小林君の就活が気になる。時計を見ると既に2時半を回っており、ここで引き返せば、"かたくりの里"の閉園時間に間に合うのだが、折角ここまで 来たので、今回は"かたくりの里"は諦め、高峯登頂を優先する。この決断が、このあと我々に新たな幸運をもたらすことになる。 14:31、第二展望台を後にする。この傍には、マウンテンバイク専用コースが通じているが、平日でもありライダーも見られない。そこで、近場のこのコースを登ることにする。ただ、大山さんが二年程前の登山時に逆コースを取った際は、ライダーが猛スピードで降りてきて、大変危険だったとか。暫く登ると、並行する登山道が現れたので、早速こちらに移動する。山頂近くになると、木漏れ日があたる草叢には、色違いの"スミレ"や"クサボケ"が見受けられる。また、"ツツジ"の蕾も多く見られるので、これからは見事な"躑躅トンネル"となるであろう。 15:20、最後の急階段を登りきり、高峯山頂に辿り着く。ここからは、栃木県側の景色が一部望めるものの、眺望は殆ど利かない。それでも、標高差約230mを、撮影時間も含めて49分で登りきったことになり、大山さんも満足気である。今後も、お互いの健康維持のため、この程度の軽登山は続けたいものである。15:50、体が冷えてきたので、山頂を後にする。15分程経ったであろうか、大山さんが突然"あっ!かたくり!"と奇声を発する。見れば、落葉で覆われた斜面に"カタクリ"が顔を出している。今回、時間切れで"カタクリ"の撮影は諦めていたが、まさかこんなところで出会えるとは、何ともラッキーである。これも、大山さんの日頃の功徳の御蔭であろう。私も、早速斜面を下り、先ず標準ズームで数ショット撮影する。改めて回りを見渡すと、7~8輪が離れて咲いている。ただ、これらは色も浅く、花弁の先も少し萎れぎみであり、最初の一輪が一番元気が良さそうである。そこで、足場を確保しつつ、ボケの綺麗な300㎜望遠に交換し、絞り開放で順次花々を撮影する。早速拡大再生してみると、気合いを込めて撮影したせいか、そこそこシャープな画像が得られている。満ち足りた気分で、登山道へと戻る。 今回は、昨年に引き続き、山桜の絶景を求めて、大山さんと桜川市を訪問した。美しい花々だけでなく、T.Kさんを始め女性方の温かい人情に接し、心が洗われる思いであった。来年も同時期に、大山さんと共に高峯山麓を再訪したい。 総歩数:16,400歩 登りの厳しさ:▲ |