*** 2014年10月29日 妙義山 ***
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10月29日(水)/30日(木)の両日、何時もの大山さんと妙義山/谷川岳に出かける。当初、10月14日/15日の両日、福島県の安達太良山/一切経山登山を計画していたが、台風19号襲来に伴い、急遽予定をキャンセルした結果である。初日の妙義山は、嘗て計画したことはあるが、諸般の事情で中止となり、今回が初めての訪問となる。また、二人とも車なので、これを有効活用して、"関東ふれあいの道"(以下中間道)を踏破する計画である。つまり、"駅の道・みょうぎ"に一台を駐車し、もう一台で西端の"中之嶽神社"に向かい、そこを起点に東に向かって歩くわけである。更に、時間が許せば、榛名山の紅葉も狙うことにする。 9:15、環八で渋滞に巻き込まれた関係で、待ち合わせ場所の"駅の道みょうぎ"駐車場には、約15分遅れで到着する。本日は快晴、真っ青な空に迫力満点の"白雲山(標高1104m)が屏風のように聳えている。ガイドブックには、駐車場からの標高差は700m弱とあるが、それを遥かに上回るスケールである。ここから、先ず大山さんのX-TRAILで、"中之嶽神社"に向かう。この間、登りが続くので、中間道を歩く際は下りとなり、楽なコースになると思われる。 9:40、"中之岳駐車場"に車を停め、ここから愈々登山開始である。多くの登山者は、車道を戻り、"第一石門"に向かっているようだが、我々はオーソドックスに、"中之嶽神社"の境内を通過するコースを取る。朱色の鳥居抜け、巨大な"剣持大黒像"の傍まで来ると、この左手に145段もの急な石段が続いている。今回は楽な登山になると思いきや、最初からカウンターパンチを食らわされた格好である。それにしても、この大黒様は何とも不気味で、"江の島神社"の柔和な大黒様とは、似ても似つかない。同神社のHPには、「この剣が厄や悪霊を祓うといわれており、本来の福徳を授ける御利益と厄を払う御利益を持つだいこく様です。」とあるので、悪霊と闘う時の顔付と言うことであろうか? 10:02、何とか"中之嶽神社"に辿り着く。大山さんによると、これで一気に高度差50mを稼いだことになるとか。この神社の御神体である"轟岩"の先から山道に分け入る。ここあとも、急な石段が続き、どうやら最初の思惑が外れた模様である。それでも、雑木林の急斜面には、艶やかなモミジが垣間見られる。近寄っても、周辺の木々が邪魔して、モミジそのものを捉え切れないが、この色彩は何とも見事である。改めて、オリジナル画像を拡大してみると、どうやら"ハウチワカエデ"のようである。 10:37、"見晴台"に到着する。正に絶景、眼前には、奇岩が林立する水墨画の世界が広がっている。正面のタワーの頂きには、枝ぶりの良い木が見られ、"中国・黄山"の松を彷彿させるが、それが松か否かは確認できない。一方、東側の奇岩群には、個々に名前が付けられているようだが、パンフレットにあるのは"大砲岩"のみである。これを超望遠で狙うと、人影が確認出来るので、実際にそこまで辿り着けるようである。背後の"金洞山"を眺めると、その断崖中央部に亀裂が走っているように見える。これが、断層による破砕帯なのか、それとも火山性の柱状節理なのかは不明だが、何とも気になる存在である。"見晴台"手前には、"ドウダンツツジ"や"ナナカマド"が見られる。前者は赤紫色に見事に紅葉しているものの、後者は台風19号の影響か、紅葉することなく縮れてしまったように見える。ここから、暫し"第三石門"に寄り道したのち、"第四石門"を目指す。 11:24、"第四石門"に到着する。何とも壮大なアーチが眼前に迫る。形が類似する城ヶ島・"馬の背洞門"(2011年7月11日参照)より何倍もの迫力がある。 所で、私が嘗て撮影した"馬の背洞門"が、"馬のマークの受験研究社"の編集者の目に留まり、"スーパー理科辞典四訂版219頁"に掲載されることになった。私も幼き頃、同社の"自由自在"でお世話になったことがあるので、これも何かの御縁であろう。一方、アーチの間からは、先程の"大砲岩"と共に"モアイ像"にも似た巨石が望める。だが、その下面には亀裂が走っており、今にも崖下に転落しそうに見える。ここから、小さなアップダウンを繰り返しながら20分程進むと、170段もの鉄梯子が現れる。幅が狭く、行き交うことが出来ないので、その場合は、どちらかが待つことになる。何れにせよ、本日は渋滞も無く、且つ下りであるのは、ラッキーであったと言える。 12:00、中間道脇に艶やかな紅葉が垣間見えたので、この下で昼食をとることにする。落葉の形からすると、先程と同じく"ハウチワカエデ"のようだが、一部に橙色の部分が見られるものの、今が丁度見頃といえよう。昼食後、中間道を下っていくと、巨石をくり抜いた道が現れる。一部は、1m程度の高さしかなく、頭をぶつけないよう用心して進む。周辺には、"ハウチワカエデ"の紅葉が多く見られるが、逆光に輝く"イロハモミジ"の黄葉も中々趣がある。木の間からは、白雲山・相馬岳(標高1104m)/同・天狗岳(標高1081m)が望める。愈々、終点の"妙義神社"に近づいたかと思いきや、行けども行けども、それらしき建物は現れない。 14:05、暫くすると"本読み僧"の座像が現れる。どうやら自然の溶岩塊のようだが、その標識には括弧書きで、何と"中間道の中間点"と記載されている。"中之嶽神社"から3時間25分、これが事実だとすると、単純に計算して"道の駅みょうぎ"到着は17時半頃となり、車の回収時間まで含めると、榛名山の紅葉撮影など望むべくもない。従って、そのためには、ここからピッチを上げる必要があるが、これまでの小さなアップダウンがボディーブローのように効いてきたのか、下りでさえ中々スピードが上がらない。そこで、第一見晴にて小休止する。ここからは、南方にせり出した"金鶏山(標高856m)"が望める。まるで龍の背の如く起伏に富んでおり、ここを縦走するのは容易でなかろう。龍からパワーを貰った所で、スピードアップして、"妙義神社"へと下っていく。 15:38、やっと"妙義神社"に到着する。"中之岳駐車場"から約6時間、途中で"第三石門"に寄り道した時間を差し引いても、ガイドブックの何と2倍程度も掛ったことになる。この分だと、榛名山ロープウエイの最終には到底間に合わないので、大山さんと相談の結果、今回は諦めることにする。本殿に参拝後、立ち去ろうとしていたところ、唐門前で中高年の男性と出くわす。腰回りには、何本ものカラビナが見られるが、ザイルは確認できないので、どうやら"フリークライマー"の方の模様である。聞けば、背後の白雲山に登頂して来られたとか。また、岩登りには手力と脚力が必要と仰る。この一言が、図らずも、翌日の谷川岳・厳剛新道で鎖場を登る際に役立つことになる。ここから、長い石段を下って"道の駅みょうぎ駐車場"まで戻り、今度は私のPREMIOで"中之岳駐車場"を目指す。 今回は、妙義山の中間道を、比較的楽と思える逆コースから踏破を試みた。だが、距離が長いうえ、予想以上にアップダウンもあり、体力を消耗する結果となった。次回は事前のトレーニングを十分に行い、スタミナ切れにならないように心掛けたい。 総歩数:約15,000歩 登りの厳しさ:▲▲▲(剣持大黒像~中之嶽神社)、▲~▲▲(それ以外) 下りの厳しさ:▲(長時間に渡る下りはない) |