*** 2015年5月20日 愛鷹山のツツジとイワカガミ ***

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1.十里木駐車場 2.展望台への急階段 3.愛鷹山1 4.フジベニウツギ1 5.フジベニウツギ2 6.フジベニウツギ3 7.アズキナシ1
またはカマツカ
8.アズキナシ2
またはカマツカ
9.ハコネウツギ1
またはヤブウツギ
10.ハコネウツギ2
またはヤブウツギ
11.新緑の登山道1 12.新緑の登山道2 13.愛鷹山2 14.ツクバネウツギ1
または
シロバナヤブウツギ
15.ツクバネウツギ2
または
シロバナヤブウツギ
16.ガクアジサイ1
またはムシカリ
17.ガクアジサイ2
またはムシカリ
18.トウゴク
ミツバツツジ1
19.トウゴク
ミツバツツジ2
20.トウゴク
ミツバツツジ3
21.ヤマツツジ1 22.ヤマツツジ2 23.ヤマツツジ3 24.ヤマツツジ4 25.ヤマツツジ5 26.馬ノ背先の急登 27.アシタカツツジ1 28.ヤマツツジ6 29.ヤマツツジ7 30.ヤマツツジ8
31.新緑のブナ1 32.新緑のブナ2 33.新緑のブナ3 34.新緑のブナ4 35.新緑のブナ5 36.アシタカツツジ2 37.アシタカツツジ3 38.アシタカツツジ4 39.アシタカツツジ5 40.アシタカツツジ6
41.新緑のブナ6 42.新緑のブナ7 43.新緑のブナ8 44.新緑のツツジ 45.アセビの新芽 46.ツツジの落花1 47.トウゴク
ミツバツツジ4
48.トウゴク
ミツバツツジ5
49.トウゴク
ミツバツツジ6
50.トウゴク
ミツバツツジ7
51.平坦地への登り 52.ブナの大木1 53.ブナの大木2 54.ブナの大木3 55.新緑のブナ9 56.新緑のブナ10 57.新緑のブナ11 58.新緑のブナ12 59.新緑のブナ13 60.新緑のブナ14
61.ツツジの落花2 62.トウゴク
ミツバツツジ8
63.トウゴク
ミツバツツジ9
64.トウゴク
ミツバツツジ10
65.トウゴク
ミツバツツジ11
66.トウゴク
ミツバツツジ12
67.トウゴク
ミツバツツジ13
68.トウゴク
ミツバツツジ14
69.トウゴク
ミツバツツジ15
70.トウゴク
ミツバツツジ16
71.勢子辻分岐 72.トウゴク
ミツバツツジ17
73.トウゴク
ミツバツツジ18
74.トウゴク
ミツバツツジ19
75.トウゴク
ミツバツツジ20
76.アシタカツツジ7 77.アシタカツツジ8 78.アシタカツツジ9 79.アシタカツツジ10 80.アシタカツツジ11
81.トウゴク
ミツバツツジ21
82.トウゴク
ミツバツツジ22
83.トウゴク
ミツバツツジ23
84.トウゴク
ミツバツツジ24
85.トウゴク
ミツバツツジ25
86.トウゴク
ミツバツツジ26
87.トウゴク
ミツバツツジ27
88.トウゴク
ミツバツツジ28
89.ムラサキ
ヤシオツツジ1
90.ムラサキ
ヤシオツツジ2
91.越前岳の地蔵 92.越前岳山頂斜面
のツツジ1
93.越前岳山頂斜面
のツツジ2
94.越前岳山頂斜面
のツツジ3
95.富士見台への
下り道
96.アシタカツツジ12 97.アシタカツツジ13 98.アシタカツツジ14 99.アシタカツツジ15 100.ムラサキ
ヤシオツツジ3
101.イワカガミ1 102.イワカガミ2 103.イワカガミ3 104.イワカガミ4 105.イワカガミ5 106.イワカガミ6 107.イワカガミ7 108.イワカガミ8 109.イワカガミ9 110.イワカガミ10

 5月20日(水)、好天が期待できそうなので、ツツジを求めて"愛鷹山越前岳(標高1504m)"を目指す。ここ数年、越前岳に登るたびに、山頂付近のツツジの大群落が気になっていたが、今回初めて開花期に訪問することになる。ネット情報によると、固有種の"アシタカツツジ"や高山植物の"イワカガミ"も見られるとか。何れにしても、花巡りの登山となりそうなので、時間を気にせず、じっくりと花々を撮影することにする。
 6:50、自宅をあとにする。相模川の手前まで来ると、何時もの通り渋滞に巻き込まれたので、圏央道に迂回してから東名高速に入る。御殿場ICで高速を降り、469号線を西に30分程ひた走ると、薄雲に覆われた愛鷹山越前岳が姿を現す。交差点を右に折れ、曲がりくねった道を進むと、"富士サファリーパーク"が現れるが、ここを素通りして、十里木の別荘地帯を走ると、登山口となる十里木駐車場(標高880m)に辿り着く。平日のせいか、10台程度が駐車しているのみである。正面には、雄大な富士が望めるが、道路沿いの電線が邪魔して、撮影する気になれないので、このあと展望台から、腰を据えてその雄姿を撮影することにする。これが、結果的に、唯一のシャッターチャンスを逃すことになる。
 9:05、登山支度をして、愈々出発である。ただ、最初から、見上げるような急階段が待ち構えており、そのまま大股で駆け上がると体力を消耗するので、その右脇を、富士山を背にしてスローペースで登って行く。約15分で、何とか展望台に辿り着くと、一転、山頂付近は雲間に隠れてしまっている。そこで、休憩を兼ねて、ここで雲の通過を待つことにする。
20分以上も粘ったであろうか。だが、雲が晴れるどころか、中腹までも厚い雲が覆い、悪化する一方なので、撮影を諦め登山を再開する。電波塔を過ぎ、灌木地帯に入ると、"ウツギ"類が散見されるようになる。ネット上で調べた限りでは、濃赤色のものが"フジベニウツギ"、紅白混じったものが、"ハコネウツギ"であろうか。別途、Aさんに調べて頂いたところでは、後者は"ヤブウツギ"が正解のようである。
 10:00、新緑の雑木林の中を登って行くと、艶やかな"ツツジ"が目に留まる。丹沢で良く見かける"トウゴクミツバツツジ"に比べて、小振りで色も濃く別種のように思えるが、オリジナル画像を確認してみると、三つ葉であるので、やはり同種であろう。この先の"馬ノ背(標高1099m)"では、三組の登山者が休憩中である。私もその一角に陣取ったが、富士山は麓から上が、厚い雲に覆われてしまっている。よって、富士山撮影は諦め、新緑の若葉や花々の撮影に集中することにする。"馬ノ背"周辺は、日当たりが良いせいか、大振りの"ヤマツツジ"が多く見られる。その先の岩場を越え、薄暗い山道に入ると、谷側の斜面に、"ツツジ"が見られるようになる。赤花は"ヤマツツジ"として、それ以外に赤紫色のツツジも確認できる。改めて、オリジナル画像をチェックしたところ、葉が5枚で花弁もやや縮れ気味なので、これが彼の"アシタカツツジ"であろうか。また、ブナの新緑が目に染み入るようなので、ここで立ち止まって、ブナの若葉を撮影していたところ、単独行の山ガールに追いつかれる。会釈をして、暫し立ち話をしたところでは、御仲間は本道ではなく、谷側を略平行に走る"獣道"を自己責任で登山中とか。また、地元・富士市御在住で、この山の"生き字引"のような方である。更に、情報収集能力にも長けていて、先程"馬ノ背"ですれ違った方は、遠路山口県から車でお越しで、本日"愛鷹山"の後は、"金時山"にも挑戦されるとか。つまり、リタイヤー後、全国津々浦々の名山を、車で巡られているようである。それを聞いて、高倉健の遺作"あなたへ"を思い出したが、それはさて置き、山頂付近には、"ミツバツツジ"と"アシタカツツジ"の群落が見られるとか。更にこの季節、"富士見台"方面に下ったところに、"イワカガミ"も咲いているとか。実に饒舌な方で、話が尽きなかったが、私は写真を撮りながらゆっくり登るため、ここでお礼を言ってお別れする。この方の御蔭か、暫くすると、間近に"アシタカツツジ"らしき花が現れる。近寄って観察してみると、葉数/花弁の形とも、"トウゴクミツバツツジ"と異なっており、"アシタカツツジ"に間違いなかろう。次に、平坦地(馬場平:標高約1300m)を過ぎると、左手に"ブナ"の大木が現れる。永年の風雪に耐えたせいか、奇妙な形に枝分かれしており、存在感抜群である。"ブナ"の樹林帯を抜けると、今度は"トウゴクミツバツツジ"の群落と、次々と植生が変化して行く。
 12:15、"勢子辻分岐"を通過する。標識には、10分で最高峰の越前岳とあるが、先程の山ガールの方が仰った通り、周辺にはツツジの大群落が見受けられる。そこで、少々道草して、この一帯に分け入ると、"トウゴクミツバツツジ"と"アシタカツツジ"が競い合うように咲いており、正に壮観と言う他ない。更に、良く見ると、"ムラサキヤシオ"らしき別種の"ツツジ"も確認できる。このツツジの楽園は、"塔ノ岳"(2010年6月2日参照)にも、勝るとも劣らぬ美しさである。また、"塔ノ岳"と違って、登山道の間近に群生しているのは、奇跡に近いのではなかろうか。所で、"ツツジ"は漢字で"躑躅"と書くが、某由来辞典によると、「躑躅(音読みでテキチョク)とは、躊躇(同チュウチョ)と同義であり、見る人の足を引きとめる意味から、この字が当てられたと言われている。」とあり、正に言い得て妙である。何れにしても、重いカメラとレンズを持って、登ってきた甲斐があったと言える。ここで、ふと時計を見ると、3時間強も要したことになるが、不思議と時間経過が実感できない。これは、時間を忘れて、撮影に熱中できたせいであろう。
 12:33、越前岳山頂に到着する。本来なら、この急斜面にも、若葉とツツジの見事なモザイク模様が見られる筈だが、猛烈な勢いで雲が巻き上がり、全く視界が利かない。仕方が無いので、山頂での昼食を早々に切り上げ、"イワカガミ"を求めて、"富士見台"方面に下ることにする。途中の尾根道には、"ツツジ"は垣間見られたものの、肝心の"イワカガミ"は、蕾はおろか葉さえ確認できない。"富士見台"も間近となり、諦めて引き返そうとしたところ、草叢に可憐な"イワカガミ"を発見する。やはり、先程の"山ガール"の方を信じて、正解であったと言える。"イワカガミ"に出会うのは、道南の"オロフレ山"(2009年6月28日参照)以来であるが、この花を、脇を締め息を凝らして、420mm超望遠で撮影する。改めて、画像を確認してみると、ぶれも目立たず、そこそこシャープな画像が得られている。手持ち撮影をモットーにする私にとって、この程度の写真が撮れなくなった時が、私の引退時期であろう。ここから元来た道を越前岳へと戻る。
 13:40、越前岳山頂に到着する。この周辺で、再度"ツツジ"を撮影したのち、下山することにする。約1時間半で、"馬ノ背"まで戻ってきたが、相変わらず富士は姿を見せない。そこで、カメラをザックに押し込み、店じまいをすることにする。所が、その矢先に、目の前に野生鹿が現れる。ほんの1~2秒間のにらめっこが続いたが、私がザックからカメラを取り出している間に、姿を消してしまう。そこで、雑木林を覗いて見ると、草が倒れこんだその先に、一頭の鹿が去っていくが確認できる。結局、その姿を写真に収めることはできなかったが、これこそ、本物の"獣道"である。やはり、シャッターチャンスを逃さないためには、最後までカメラを手離さないのが肝要ということであろう。
 今回は、"ツツジ"が咲く季節に、"愛鷹山"に初挑戦した。生憎、富士山の雄姿は、写真に収めることができなかったが、山ガールの方の的確なアドバイスの御蔭で、艶やかな"アシタカツツジ"や清楚な"イワカガミ"の花々にも出会え、十二分に愛鷹山を楽しむことができた。機会があれば、別ルートからも、愛鷹山に挑戦してみたい。

 総歩数:10,435歩
 登りの厳しさ:▲▲~▲▲▲(一部▲)

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