*** 2017年11月1日 雪の至仏山挑戦 ***

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1.利根川沿い
のモミジ1
2.利根川沿い
のモミジ2
3.利根川沿い
のモミジ3
4.増水した利根川1 5.増水した利根川2 6.白毛門1
(水上町の
コンビニ店より)
7.白毛門2
(水上町の
コンビニ店より)
8.小至仏山(左)
&至仏山(右)1
(鳩待峠駐車場より)
9.小至仏山1
(鳩待峠駐車場)
10.至仏山1
(鳩待峠駐車場)
11.鳩待峠至仏山
登山口
12.ダケカンバ
の登山道
13.アオモリトドマツ
の登山道1
14.アオモリトドマツ
の登山道2
15.木製の階段 16.燧ヶ岳1 17.燧ヶ岳2 18.燧ヶ岳3 19.日光白根山1 20.日光白根山2
21.ナナカマドの実1 22.ナナカマドの実2 23.笠ヶ岳1 24.笠ヶ岳2 25.武尊山1 26.武尊山2 27.尾瀬ヶ原1 28.尾瀬ヶ原2 29.尾瀬ヶ原3 30.小至仏山(左)
&至仏山(右)2
31.小至仏山2 32.至仏山2 33.蛇紋岩の
テラス1
34.小至仏山(左)
&至仏山(右)3
35.オヤマ沢田代1 36.オヤマ沢田代2 37.オヤマ沢田代3 38.笠ヶ岳分岐 39.小至仏山3 40.小至仏山4
41.小至仏山5 42.小至仏山6 43.尾瀬ヶ原4 44.日光白根山3 45.大山さん 46.酒井 47.笠ヶ岳3 48.笠ヶ岳4 49.赤城山(左),
武尊山(中央),
笠ヶ岳(右)
50.日光白根山4
51.尾瀬ヶ原5 52.小至仏山直下
のベンチ
53.燧ヶ岳3 54.動物の足跡1 55.動物の足跡2 56.アオモリ
トドマツ
の雪1
57.アオモリ
トドマツ
の雪2
58.笠ヶ岳5 59.笠ヶ岳6 60.アオモリトドマツ
の雪3
61.オヤマ沢田代4 62.蛇紋岩と鱗雲 63.小至仏山(左)&
至仏山(右)3
64.小至仏山(左)&
至仏山(右)4
65.蛇紋岩が露出した
小至仏山斜面
66.燧ヶ岳4 67.会津駒ヶ岳 68.赤城山1 69.赤城山2 70.赤城山
(黒檜山)

 11月1日(水)、本日は尾瀬ヶ原に聳える百名山・"至仏山(しぶつさん,標高2228m)"に再挑戦である。前回(2015年10月28日参照)は、大山さんは登頂を果たしたものの、私は手前の"小至仏山(標高2173m)"で敗退したため、私にとっては今回がリベンジとなる。ただ、台風22号通過に伴う寒波襲来により、登山口となる"鳩待峠(標高1590m)"より上は積雪が予想される。更に、ネット情報によると、この峠までの交通手段である乗り合いタクシーも、先月で終了している筈なので、自力で同峠まで行きつく必要がある。そこで、大山さんの車に急遽スタッドレスタイヤを装着して頂き、万全を期して出発することにする。
 6:30、起床。本日は晴天、宿泊した411号室の窓から、艶やかなモミジが見えたので、ホテル出発前に撮影しょうとしたところ、意外や、下からは色付いたモミジは確認出来ない。どうやら色付いていたのは、日当たりの良い上部だけだったようである。仕方がないので、代わりに利根川沿いのモミジを撮影する。昨日の"滝になった厳剛新道"ではないが、利根川も台風22号の影響で水量を増し、滔々と流れている。
 8:06、KKR水明荘をあとにし、先ず近くのコンビニで昼食を仕入れる。店の北方には雪山が望め、大山さんによると"白毛門"とか。この先の水上ICから関越道に入り、沼田ICで下りたあと国道120号線を東進すると、1時間余りで戸倉駐車場に到着する。ここに私の車を駐車し、大山さんのX-TRAILで"鳩待峠"に向かう。大山さんが、この駐車場の女性係員に聞いたところでは、鳩待峠駐車場付近は凍結しているとか。やはり、スタッドレスに履き替えてきて、正解であったようである。
 10:07、鳩待峠駐車場に到着する。ここで登山の準備をしていると、係の方が近寄ってこられたので、早速駐車料(何と一日2500円)を徴収されると思いきや、先ず行先を質問される。そこで"至仏山"と答えると、山頂付近は深雪と強風のため、途中で引き返した方が良いと仰る。更に、午後3時以降になると、路面が凍結して車で下れなくなるので、午前中に帰って来られた方が無難とのこと。スタッドレスを履いている旨を伝えると、自らタイヤを確認された上で、これなら午後3時以降の帰還でもOKですと仰る。登山者の身になった実に的確なアドバイスである。私も"至仏山"は無理としても、せめて"小至仏山(標高2173m)"までは辿り付きたいと考えていたので、これで一安心である。そこで、スパッツ他、新調した"滑り止め"も装着して出発する。駐車場からは、雪を被った"小至仏山"と"至仏山"が間近に望めるが、私にとっては、行けども行けども行き付けない遠い存在である。"遠くて近きは男女の仲"なる諺があるが、その逆の"近くて(近くに見えて)遠きは至仏山"というのが実態というところか。そんな軽い冗談を交わしつつ、登山口に向かう。
 10:24、大山さんに登山者カードの作成と投函お願いして、愈々登山開始である。緩やかな雪道を20分程登ると、"ダケカンバ"の林が現れる。台風22号の影響か、完全に落葉しており、枯木と見紛うばかりである。登るにつれ、常緑樹の"アオモリトドマツ"に変わり、その下を通り過ぎる度に、解けた雫水の洗礼に合う。そうこうする内に、傾斜が徐々にきつくなり、木の階段も現れる。ここで、下山中の中高年御一行とすれ違ったところ、その御一人がスリップし、階段の間に足を挟まれる。大事には至らなかったものの、下手すると骨折にも繋がりかねない。我々も、雪の階段を踏み外さないよう、細心の注意を払って登ることにする。ここを過ぎると、緩やかな木道が現れる。たが、これが難物で、積もった雪に何度も足を取られ、片足を踏み外して40~50㎝落下してしまう。その度に、木道に這い上がることになり、体力を消耗する。その理由は、単純に"滑り止め"が役目をはたしていなことだが、特に横方向の制動が効かないことである。ただ、軽アイゼンに履き替えるのも面倒なので、そのまま恐る恐る進むことにする。そうこうする内に、急に視界が開け、雄大な山々が眼前に広がる。北東方向には、"燧ヶ岳(標高2356m)"が悠然と聳えており、これをコンデジ25倍ズームで捉えると、荒々しい複数のピークが眼前に迫る。大山さんによると、東北地方の最高峰とか。真南には、雪を頂いたドーム状の山が望めるが、これが"日光白根山(標高2578m)"で、関東地方の最高峰とか。更に西に目を転じると、"武尊山(ほたかやま,標高2136m)","笠ヶ岳(標高2057.5m)と続く。何れも、登山意欲を駆り立てる堂々たる山容である。ふと、山側斜面を眺めると、真っ赤なナナカマドの実が目に留まる。だが、前回と違って、残るのはこの2房のみであり、その多くが台風22号に吹き飛ばされてしまったようである。ここから、展望の効かない樹林帯を20分程登ると、右手に"尾瀬ヶ原"が姿を現す。25倍ズームで覗くと、湿原全体が薄雪に覆われ、既に冬支度を整えたように見える。
 12:35、木道の先に、"原見岩(蛇紋岩)"が現れたので、ここで昼食を取ることにする。所が、蛇紋岩に積もった雪の上に体重を掛けた途端、臀部から思いっきり転倒する。少し気が緩んだせいだが、岩の下まで転落しなくて幸運であったと言える。食事中も次々と登山客が下山して来たので、挨拶を交わしたあと至仏山の状況を伺うと、猛烈な風と深雪で、山頂手前で撤退されたとか。東斜面の休憩場所では、風は感じられないが、遮る物がない尾根道に出ると、前回同様、台風並みの暴風に晒されるようである。正に先程の駐車場の管理者が仰った通りで、我々も行けるところまで行って、引き返すことにする。20分程休憩したであろうか。体が冷えてきたので、そろそろ重い腰を上げることにする。ここから更にきつい登りが続くので、大山さんに先頭を譲り、マイペースで登ることにする。だが、欠伸が連続し、私の心肺機能も限界に達したようである。ふと、田部井淳子さんの言葉『どんな山も一歩一歩なのよ。 一歩、一歩、足を前に運びさえすれば、8000mの山だって登れるのよ。』が思い浮かぶ。見方を変えると、『人生はアップダウンの連続であり、途中で投げ出さなかったら、多くの幸運にも恵まれる。』という意味にも取れそうである。私も呼吸を整えて、一歩一歩登っていく。
 13:50、"オヤマ沢田代(標高1980m)"を通過する。"池溏"は厚い雪の布団に覆われ、深い眠りに入ったように見える。なだらかな雪道を登っていくと、"笠ヶ岳"分岐が現れる。ここを右折すると、アオモリトドマツの林から、"小至仏山"が姿を現す。前回は視界不良で全貌がつかめなかったが、今回は全体が褐色の蛇紋岩の山塊で、多くの亀裂が走っているのが確認できる。つまり、昨日の谷川岳一ノ倉沢の立て看板に有った通り、蛇紋岩が最上部に持ち上げられた現場ということになる。してみると、この下に"石英閃緑岩"の層が隠れていることになろうか。
 14:02、"小至仏山"直下にあるベンチで、大山さんとやっと合流する。大山さんを長らくお待たせする結果になったが、これから"小至仏山"の急登が始まると思いきや、往復の時間(1時間以上)を考えると、ここから下山した方が賢明とか。やはり、雪の木道でスリップして体力を消耗したせいか、前回の1.5倍の時間がかかっており、到達時間も1時間以上遅れている。勿論私には異存は無く、標高2000m以上の山稜に到達できただけで満足である。ここで記念撮影をして、元来た道を下る。
 今回は、10月31日/11月1日の両日、大山さんと共に谷川岳山麓/至仏山に挑戦した。生憎、二日目は私の体力不足で小至仏山直下までしか到達できず、大山さんには御迷惑をかける結果になったが、私なりに、雄大な自然を体験することができた。唯一の失敗は、"滑り止め"が用を為さなかったことだが、改めて駐車場に辿り着いた際に確認したところ、私は両側で10本あるリベット全てが無くなっており、大山さんも5本しか残っていなかった。これを契機に、ネットの誇大広告に惑わされることなく、信頼しうる製品を購入するように心掛けたい。

★活動量計データ(上り階段数:120,早歩き歩数:662,総歩数:11,443(大山さんのスマホ:20,100),歩行距離:9.0km,活動カロリー:1,246kcal,一日総消費カロリー:2,975kcal,脂肪燃焼量:49.2g)

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