*** 2016年4月11日 茨城県高峯の山桜と縦走 ***
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4月11日(月)、桜川の山桜が今年も見頃となったため、何時もの大山さんと"高峯(標高519.6m)"に出かける。今回で五度目となるが、山桜撮影後は高峯を縦走し、池亀側の登山口へと下る計画である。なお、NET情報によると、今年は全山で一斉に開花する当たり年とか。晴天にも恵まれ、この絶景を写真に収めるのが、何とも楽しみである。ただ、絶景スポットである"第二展望台"に通じる平沢林道は、8日からか閉鎖されているため、それなりの対応が必要となる。 7:10、待ち合わせ場所の笠間PAにナビをセットし、自宅横浜を後にする。距離にして157㎞、首都高速の朝の渋滞を考慮すると、2時間半はかかろうか。だが、途中で渋滞に巻き込まれることもなく、何と2時間弱で現地に到着する。早速大山さんに連絡すると、あと20分程度かかるとか。そこで、エリア内の売店で待っていると、到着したばかりの大型バスから、大勢の観光客がこちらに向かってくる。店内に入るや否や、大声で中国語で喋りまくり、騒々しいこと極まりない。仕方がないので、ここから退散して屋外で待っていると、数分で"X-TRAIL"に乗った大山さんが到着する。早速本日のルートについて相談した結果、私の"PREMIO"を池亀側の登山口に駐車して、大山さんの"X-TRAIL"で平沢を巡り、門毛を通る県道286号線に迂回して、"高峯第二展望台"に向かうことにする。笠間西ICで高速を下り、国道50号線を西に10分程ひた走ると、懐かしき"平沢の里"が現れる。ここから望める高峯は、NET情報通り全山一斉開花という状態ではなく、山麓から中腹にかけて満開になっている。ここから、"池亀の里"を抜けて高峯登山口に向かう。途中Kさん宅(2013年4月12日参照)を通過するが、庭先で山ガールと思しき御二人と談笑中である。確か現在85歳のはずだが、お元気そうで何よりである。 10:30、一先ず私の車を高峯登山口に駐車し、大山さんの車で"池亀の里"へと下って行く。途中の"五大力堂"周辺では、大振りの山桜が丁度満開を迎えている。序に堂内も覗いてみたが、平安時代の作と言われる5体の仏像は確認できない。大山さんによると、山麓の"月山寺"にて展示中とか。道理で、何時来ても蛻の空のわけだが、機会があれば、一度当寺でじっくり鑑賞してみたいものである。ここから、緩やかな坂道を下って行くと、Kさん宅の前に出る。そこで、手前の坂道に駐車し、年に一度の挨拶を交わすことにする。艶やかな芝桜に縁取られた庭に入ると、丁度Kさんがいらしたので、大山さんが声をかけると、我々のことを覚えて頂いていたようで、早速母屋に招き入れて下さる。天井には極太の梁が渡っており、彼の東日本大震災でも、びくともしなかったとか。今年86歳になられるそうだが、我々を接待しながら、61年前に笠間市から嫁いで来られて以降のK家の歴史を、掻い摘んで話して下さる。既に、ご主人を亡くされているが、独力で周辺の田畑を維持管理されているせいか、認知症などどこ吹く風である。また、部屋の手前の"上框(あがりまち)"には、黄金の"招き猫"が置かれており、何となくKさんのお人柄が表れているような気がする。ただ、最近は周辺の過疎化が進み、猪による被害が増加しているとか。だが、Kさんの畑は四方が網で囲まれ、その入口には頑丈な住宅用の扉が設置されているせいか、今のところその被害は及んでいないようである。20分程お邪魔したであろうか、丁度二人のお孫さんが見えたので、来年の再会を願ってお別れする。 11:29、平沢の山桜撮影スポットに到着する。今が丁度見頃で、山腹一帯には、山桜と若葉のモザイク模様が広がっている。ただ、手前には、昨年無かった筈の"山桜絶景"なる石碑まで設置されており、その宣伝効果のせいか、10人程度のマニアと思しき人達が、大型三脚を畦道に据えて、絶景ポイントを占拠している。手持ち撮影派の私には、超重量級の機材を持ち込んで、マイペースで撮影する人々の心理は理解できないが、長閑な山里が、人や車で踏み荒らされないことを祈るばかりである。ここから、念のために、通行止めになっている筈の"平沢林道"に向かったところ、ここにも10名程度が、600㎜以上と思しき超望遠レンズを大型三脚に据えたまま、手持無沙汰気に周辺を徘徊している。穿った見方かもしれないが、撮影が目的と言うより、"セウォル号"の元オーナの如く、高価なレンズを見せびらかしているように見えなくもない。それはさて置き、この先は予想通り通行止めになっていたので、ここでUターンして、"門毛"に迂回し、栃木県側から第二展望台手前の駐車場を目指すことにする。県道286号線から"平沢林道"に入ると、数分で通行止めゲートが現れる。この手前の空きスペースに、昨年同様駐車して、"第二展望台"に向けて歩き出す。それでも、"七曲り"の下から登り始めるより、遥かに楽である。 12:36、約10分で"第二展望台"に到着すると、崖下の山桜が滝のように枝垂れている。やはり、山麓から見上げるより迫力があり、ここが山桜撮影のベストスポットに間違いなかろう。超望遠で覗くと、花びらが舞っている姿も確認でき、正にベストシーズンの訪問であったことが実感できる。15分余山桜撮影に没頭したであろうか。他にも、真紅の"ヤマツツジ"や紫の"スミレ(Aさんによると"アカネスミレ"か"オカスミレ")"を撮影しつつ、元来た道を戻ることにする。展望台に上ると、平沢林道の"七曲り"周辺にも、新たな絶景が広がっており、茨城県側からこの林道を登ってきたと思しき人達が、三々五々"桜狩"を楽しんでいる。私も加わりたいところだが、このあと高峯縦走が控えているので、諦めざるを得ない。更にその上の展望台に辿り着くと、北側の木の間から、春霞がかかった山並みが確認できる。大山さんによると、"日光三山(男体山,女峰山,太郎山)"とか。その両端の二山の山頂付近には、薄っすらと残雪も懸かっている。 13:36、愈々"高峯"に向けて出発する。標高差にして230m程度なので、1時間以内で登れれば、御の字であろう。この傍には、マウンテンバイク専用コースが通じているが、平日でもありライダーも見られないので、当分このコースを登ることにする。暫くすると、並行する登山道が現れたので、念のためこちらに移動する。山頂近くになると、階段が現れるが、"愛鷹山"ほど急ではないので、息も切れない。ここを登り切ると急に視界が開け、カヤトに覆われた斜面が現れる。その先には、茨城の山々がくっきりと姿を見せている。大山さんによると、ここはハンググライダーの基地とか。通りで、見晴らしが良いわけだが、大山さん自身も、ここまでクリアな山々を見たのは初めてとか。また、大山さんにとっては、富士登山の事前訓練のため、この峰々を縦走した思いで多きルートでもある。標高自体は大したことないが、アップダウンが激しく、踏破するのは至難の業であるのが実感できる。ここで四方山話をしつつ、30分程休憩したであろうか。そろそろ高峯山頂に向かうことにする。 14:50、高峯山頂に到着する。ここで記念撮影をしたのち、池亀に向けて下って行くと、山道は各所で猪に掘り返され、荒れ果てている。ふと、先程のKさんの話を思い出し、"熊避け"ならぬ"猪避け"のため、鈴を付けて下ることにする。"仏頂山"手前まで来ると、分岐点が現れるが、ここの案内板には、池亀に下るルートは記されていない。大山さんによると、これは栃木県側が設置したもので、茨城県側には全く配慮していないとか。正に登山者の安全を無視したお役所仕事の典型で、呆れる他なかったが、ここでルートを間違えると遭難の可能性もあるので、大山さんが新調したばかりのスマホで、茨城県側へ下るルートをチェックして頂く。この画像には、実際に衛星から地球を眺めた時同様、人間が勝手に決めた区域のみでなく全体が表示されるので、ここを右に折れると池亀に行きつけることが判明する。結局、昨年の"至仏山(2015年10月28日参照)"の失敗が生かされた格好で、改めて大山さんに感謝申し上げると共に、いざという場合のスマホの有効性を実感する形になった。ここから、落葉に覆われた急斜面を、用心しながら登山口に向けて下る。 今回は、昨年に引き続き、山桜の絶景を求めて、大山さんと桜川市を訪問した。美しい山桜だけでなく、Kさんやお孫さんの温かい人柄に接し、心が洗われる思いであった。また、登山の際のスマホの有効性を実感できたので、私もそろそろガラケイからスマホに更新したい。 ★活動量計データ(上り階段数:1300,早歩き歩数:1602,総歩数:12639,歩行距離:9.9km,活動カロリー:1341kcal,一日総消費カロリー:3064kcal,脂肪燃焼量:56.8g) |