*** 2016年10月21日 愛鷹山の秋 ***
写真や下の文字をマウスでクリックすると大きく表示します。
10月21日(金)、来月初旬の奥久慈男体山の前哨戦として、何時もの"愛鷹山越前岳(標高1504m)"に、略半年ぶりに挑戦する。だが、日頃の不摂生が祟って、体重が2~3㎏増加しており、途中でばてないか心配である。ただ、その時はその時で、無理をせず引き返すことにする。 10:37、十里木駐車場を後にする。天気予報では本日は快晴であったが、残念ながら、富士の裾野から上は厚い雲に覆われ、姿を見せる気配は感じられない。それでも、途中で雲が晴れるのを期待して、予定通り最初の急階段を登っていく。今回は、特にオムロン製活動量計の精度をチェックするため、段差30㎝以上もありそうな階段を大股で登り始めたところ、忽ち失速したので、その脇の"リンドウ"や"ヤマラッキョウ"他の花々を撮りつつ、暫しの休憩を取ることにする。カメラ機材の約10㎏分を含め、総重量・・㎏のポテンシャルエネルギーを、一気に高めようとしたのが、仇になったようである。だが、この間の段数は殆どカウントされておらず、登山用には不向きと言わざるを得ない。活動量計のアルゴリズムとセンサー精度が、別途気になるところだが、これ以上深入りしないことにする。 11:15、第二電波塔付近まで来ると、笹原の先に雲を頂いた越前岳が姿を現す。背後の富士も益々雲が厚くなり、今後も雄姿は期待できそうもないので、登山道周辺の"シロヨメナ"や"トリカブト"の花々や紅葉を撮りつつ、緩やかな坂道を登って行く。ところで、"トリカブト"は、実に言い得て妙な形をしているが、寧ろ英語名の"monkshood(僧侶の頭巾:2002年7月13日参照)"の方が、身近に感じられるのでは無かろうか。これを撮り終え、登山道に戻ると、突然"ガサッツ"と音がして、目の前に大きな松毬状のものが落下する。ネット上でチェックした限りでは、どうやら"モミ"の果実のようだが、付近にはこの大木は見当たらないので、飛行中の鳥が、誤って落としたものであろうか? 11:40、"馬ノ背展望台"に到着すると、早くも下山中の男性とすれ違う。私の首から下げたカメラ姿に興味を持たれたのか、先方から声を掛けられたので、私も『お早いですね!地元の方ですか?』と返答すると、近場の『沼津からです。』と仰る。また、立ち話をする中で、この方も、嘗ては、重量級のカメラを二台も持って登山されたていたとか。ただ、諸般の事情で、最近はポケデジのみとのことである。私も、先程の急階段での失速を考えると、そろそろ重装備から引退したいところである。会話が進む中で、嘗て学校にて、プロ用画像処理ソフト"フォトショップ"の活用法を指導されていたことが分かる。私にも、画像処理ソフト使用の有無を訊かれたので、"フォトショップエレメント"の名前を挙げたところ、『それで十分ですね!』と仰る。私自身は、自然の色調/階調になるべく近づけるため、画像ソフトを使用する程度であるので、この簡易ソフトでも用を足すことになる。私も、嘗てメーカから大学に転出した旨をお伝えすると、共通点の多さに驚愕しておられる。20分程度も喋ったであろうか、別れ際に、改めてお名前を伺ったところ、Sさんと仰り、何とメーカ同期のS氏(眼下の十里木カントリークラブ会員)と同姓である。これも不思議なご縁であろうか。最後に、今回撮影した写真を、約一週間後に私のHPに掲載する旨をお伝えしたところ、HP名をメモ用紙に記載しつつ、『では、二週間後にチェックしてみます。』と言われる。ふと、プロカメラマンの"岩合光昭"氏が、嘗てテレビ番組にて『私の場合、カメラはコミュニケーションの手段です。』と語っておられたのを思い出す。今回は、Sさんのお蔭で、図らずも、私にも当てはまることを証明する機会になった模様である。 11:59、最初の岩場を通過する。この先から、愈々急登が始まるが、Sさんから元気を貰ったせいか、最初の急階段を登った際の欠伸や息切れは見られない。薄暗い尾根道に入ると、沢側の"コミネカエデ(2011年11月2日参照)"は既に散り落ちており、殺風景な灌木地帯を黙々と登っていく。それでも、小ぶりの"ツタウルシ"の紅葉や、"ミヤマシキミ"の赤い実が、疲れを癒してくれる。"平坦地"手前まで来ると、小型団扇のような"オオカメノキ"と思しき紅葉が目に留まる。ただ、葉は縮れたり欠けたりしており、順調に紅葉まで進まなかった模様である。 13:04、"平坦地"に到着する。日当たりの良い斜面には、"リュウノウギク"に交じって、道南の山々でよく見かけた"オトギリソウ"らしき紅葉も見受けられる。ここの標識には、越前岳まで50分とあり、まだまだ"平坦地"ならぬ"傾斜地"が続くことになる。15分程登ると、堂々たる風格のブナの大木が現れる。永年の風雪に耐えたせいか、枝は折れ曲がり樹皮は苔むし、幹の上部には太い"ツタウルシ"が蛇のように絡まっている。その隣のやや小振りのブナは、既に朽ち果てているのか、幹にはキノコが生え、木の股には艶やかな緑色の苔が密生している。この光景を撮影し、20分程登ると"勢子辻分岐"が現れる。ここの標識には、越前岳まで10分とあるので、山頂は間近ということになる。この先は急になだらかになり、登山道脇の草地を、"スギゴケ"他の苔類が覆っている。 14:09、やっと"越前岳"山頂に到達する。"勢子辻尾根"からは、濃霧がまるで瀧が逆流するかのように押し寄せてくる。ベンチ裏手に回ると、何時もの可憐な地蔵が鎮座しており、その涎掛けが、本年3月の登山時(2016年3月17日参照)の赤色からピンクに更新されたようである。だが、表面は何故か薄汚れ、靴跡らしきものまで確認できる。私の見間違いであることを祈るばかりである。そうこうするうちに、山頂付近も濃霧に隠れそうになってきたので、元来た道を急いで下ることにする。 今回は、紅葉の時期に、"愛鷹山越前岳"に6度目の挑戦をした。生憎の曇天で、富士の絶景には出会えなかったが、Sさんとも色々意見交換ができ、有意義な一時を過ごすことができた。機会があれば、Sさんお勧めの"黒岳"から、富士の雄姿を狙ってみたい。 ★活動量計データ(上り階段数:280,早歩き歩数:75,総歩数:8072,歩行距離:6.3km,活動カロリー:1077kcal,一日総消費カロリー:2796kcal,脂肪燃焼量:42.8g) |