*** 2019年6月18日 新緑の大倉尾根 ***
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6月18日(火)、術後1年が経過したので、治療効果を確認するため、3年半振りに大倉尾根から"塔ノ岳(2015年12月1日参照)"を目指す。ただ、今回は登頂が目的ではないので、途中で引き返すことにするが、少なくとも"堀山の家(標高960m)"には到達したいものである。所で、"大倉尾根"は、"表尾根"ほどハードでないものの、急階段と平坦地が交互に出てくるロングコースで、標高差は1200mにも及び、中高年登山者にとって、決して侮れないルートである。 9:18、"大倉駐車場(標高290m)"を出て一般道を数分登ると、"塔ノ岳登山口"が現れる。案内板には、"塔ノ岳6.4㎞"(片道)とあり、中々のロングコースであることが分かる。以前は、この周辺に、多くの路駐車が見られたものだが、管理が行き届いたせいか、全く確認できない。ここを左に折れ、愈々登山開始である。最初は舗装路が続くが、途中から石畳となり、足腰への負担が倍増する。薄暗い杉林の中を20分程登ると、急に視界が開け、雄大な"表尾根"が姿を現す。だが、高圧線が真ん中を横切っており、折角の景観が台無しである。登るにつれ、様々な広葉樹の若葉が姿を現す。中でも、艶やかな赤色の柄を付けた若葉が印象に残ったので、帰宅後ネット上で検索したものの、中々名前が特定できない。仕方がないので、Aさんに問い合わせたところ、"アブラチャン"と判明する。流石にAさんである。図鑑によると、名前の通り、樹木や果実に油分を多く含み、樹木は薪炭に果実は灯油に利用されたとか。40分程で、"大観望"との分岐が現れたので、迷わず"大観望"を進むことにする。名前からすると、雄大な展望が期待できそうだが、視界が効くのは、後述する"大倉高原山の家"周辺のみである。ただ、本道と離れている関係で、静かに森林浴を楽しめる利点があるのは、言うまでもない。 10:24、"大倉高原山の家"に到着する。小屋の一部には、ブルーシートが掛かっており、改修中のようだが、ベンチの先からは相模湾が望める。つまり、ここからの眺望が、"大観望"ということになるが、全く期待外れである。気を取り直して、ファインダーを覗いてみると、手前には小田原の街並みが、その先には"真鶴半島"が望める。望遠側に切り替えると、独特の山容の"大室山"や"天城山(2003年8月20日,21日参照)"が霞んで見える。高知工科大在職中の一時帰宅時、I氏と共に訪れた思いで多き山である。この先のモミジ林を抜けると、"雑事場ノ平"で本道と合流して一本道となり、このなだらかな坂道を登って行くと、"見晴茶屋"が現れる。 10:38、"見晴茶屋"を通過する。建物は中々立派で宿泊も可能なようだが、名前に反し見晴は今一つである。この先のモミジ林から、最初の急登が始まる。秋には見事な紅葉(2015年12月1日参照)を見せてくれるのだが、この急階段を登り切るのは、至難の業である。そこで、故田部井順子さんの名言「どんな山も一歩一歩なのよ!」を思い浮かべつつ、一歩一歩踏みしめるように登っていると、トレールランナーが走り降りてくる。足への負担は、下りの方が遥かに大きい筈なので、恐るべき脚力と言わざるを得ない。更に、若い山ガールにも、追い抜かれる羽目になったが、何とか30分程で最初の難関を突破する。ほっとしたのも束の間、今度は杉林の急登が待ち構えている。ここから、"駒留茶屋"を目指す。 11:32、"駒留茶屋"に到着する。名前からして、嘗ては馬でここまで登れたようだが、この先は、更に傾斜がきつくなることを暗示している。この休憩所の東側には、雄大な"三ノ塔(標高1204.8m)"が望めるが、仰角からすると、まだその高さに達していないことが分かる。ズームアップすると、懐かしい三角形の小屋が確認できるが、北面/南面の崩落が進んでいるように見える。"三ノ塔"と"烏尾山"の間には、300m以上に及ぶ深いキレットがあり、嘗て(2001年10月3日参照)踏破するのに難渋したのを思い出す。一方、大倉尾根の斜面には"ヤマボウシ"の花が、満開を迎えている。登山道周辺では、"ウツギ"の白花が見頃になっており、何れも里に遅れること3~4週間というところか。 12:13、"堀山の家(標高950m)"を通過する。当初、ここから下山する予定であったが、未だ余力があったので、更に上を目指すことにする。直後に急階段が始まり、ここを喘ぎながら登って行くと、30分程で急に傾斜が緩くなり、"天神平"に躍り出る。右側斜面には、懐かしき"戸沢"への標識が立っている。20年以上も前、濃霧の大倉尾根を下山中に、間違って"戸沢"側に降りてしまい、標高差数百メートルを登り返した忘れられない地点である。この失敗により、道に迷った際は、起点まで戻ることを体得した次第である。 12:59、なだらかな木道を更に進むと、急に視界が開け、広い台地が現れる。ここが、"茅野平(標高1128m)"ということになる。ふと、愛用のTISSOTの高度計に目を遣ると、1128mと正確な値を表示しており、標高差839mを3時間20分で登ったことになる。よって、それなりに、治療効果があったと言えそうである。ただ、この先には、"花立山荘"に向けての急階段(大倉尾根最大)が待ち構えているので、無理をせず、ここから引き返すことにする。周辺には紅白のウツギの花が見られ、単純に"ハコネウツギ"と名付けてAさんに画像を送ったところ、早速"ニシキウツギ"ではとのコメントが入る。紅白に咲き分けるのは同じだが、花形が両者で異なるとか。ここから、元来た道をひたすら下る。 ★活動量計データ(上り階段数:1,370,早歩き歩数:1,346,総歩数:19,141,歩行距離:15.1km(本年累計:930.4㎞),活動カロリー:1,265kcal,一日総消費カロリー:2,99kcal,脂肪燃焼量:60.9g) |