*** 2016年11月17日 寸又峡 ***
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11月16/17日の両日、"北白川会"の"川根温泉"一泊旅行に出かける。この会は、60年代後半から70年代前半にかけて、銀閣寺近くの北白川に下宿していていた元京大生がメンバーであり、半年毎に開催されているとか。常連は、アルファベット順にH.I氏,H.K氏,K.M氏,N.Y氏,T.K氏(幹事),T.M氏の6名、私は初参加である。また、私を除き何れも囲碁を嗜む仲間で、最強はアマ六段のT.M氏、次いでH.I氏,H.K氏の順で、夕食後に各人の対局が予定されている。なお、内4名(T.K氏,K.M氏,N.Y氏,酒井)は写真マニアであり、翌日の散会後に、一緒に景勝地"寸又峡"に出かけることにする。中でもK.M氏は、最新のCANON
EOS5D Mark4を持つ本格派である。 9:00、H.I氏,H.K氏,K.M氏と分かれ、私の車で一路"寸又峡"を目指す。ネット情報によると、一般車両は途中で通行止めとなっており、人気の"夢の懸け橋"までは車で行きつけないようである。県道63号線をひた走り、同77号線に分岐してトンネルを抜けると、左手に"大井川"の大屈曲部(通称七曲がり)が現れる。実に雄大な光景で、一時停止して写真に収めたいところだが、先を急ぐ関係で諦めることにする。"沢間"を過ぎ、"寸又川"沿いの道に入ると、急に道幅が峡くなり、すれ違いが困難な箇所が随所に現れる。それでも、こんな細道を、大型の路線バスが道幅一杯に走っているので、お互い譲り合えば、通行可能ということであろう。"寸又峡温泉"に近付くと、真っ赤に色付いた椛が列をなしている。場所柄、園芸種のようだが、余りも見事な色合いなので、T.K氏の希望を入れて、帰路に撮影することにする。温泉街を抜けると、想定通り通行止ゲートが現れたので、近くの有料駐車場に車を停めることにする。 9:50、ここから"寸又峡プロムナードコース"を通って、ハイキング気分で絶景撮影に向かう。早速道端には、色付き始めた紅葉や黄葉が見られるようになる。こちらは、周りの自然に溶け込んでいるので、自生の"ヤマモミジ"と"ミズナラ"いうことになろう。崖下の峡谷には、赤や黄に色付いた木々が見られ、その先には"小無間山(しょうむげんざん;標高2150m)"と思しき高峰が悠然と聳えている。暫く歩むと、眼下につり橋が現れる。ネットで検索したところでは、"猿並橋(さんなみばし)"と呼ばれ、ここを渡った先が、手前の"朝日岳(1827m)"の登山口となっている。ただ、この山でさえ標高差1400m程度と、私の体力では到底登頂は不可能である。 10:25、薄暗いトンネルを抜けると景色が一変し、紺碧の湖が現れる。これが、"寸又峡"の名所の一つである"大間ダム湖"であるが、別名"チンダル湖"とも呼ばれている。ただ、この別名には違和感があり馴染めない。改めてWikipediaで調べてみると、"チンダル現象"とは、『光の特性によって起こる物理化学的現象の一つ。分散系に光を通したときに、光が主にミー散乱によって散乱され、光の通路がその斜めや横からでも光って見える現象を言う。』とある。つまり、"徳峻瞥山頂(2008年10月4日,No.40参照)"から撮影した光景が、その具体例とも言えよう。また、水中には光の筋は確認できず、一様な色合いに見えるだけで、色自体も裏磐梯の"毘沙門沼(2013年10月15日参照)"に類似している。従って、これは"チンダル現象"でも何でもなく、水中の微粒子が短波長の白青色を反射して、このような色合いになったと考えられる。そうこうする内に、ダム湖への道が現れたので、ここを下って行くことにする。K.M氏によると、このダムは競合関係に有った間組が建設したものとか。ここから、ダム湖に沿って、"夢の吊橋"に向かう。 10:38、"夢の吊橋"に到着する。何とも奇妙な名前だが、それはさて置き、この時期は一方通行になっており、ここを一旦渡ると引き返すことができず、対岸の急坂を登って林道に出て戻ることになる。それでも、T.K氏が渡り始めたので、私も更なる絶景を求めて後を追うことにする。このつり橋は、恐怖感を覚えるほど揺れないものの、シャッターを切るのを躊躇するレベルである。ただ、残念ながら湖面は乱反射し、神秘の色合いとは言い難い。対岸に渡ると、"イヌシデ"が黄金色に輝いている。椛の紅葉も良いが、この黄葉も目に染み入るようであり、ここまで渡ってきた甲斐があったと言える。この先から、愈々急登が始まる。T.K氏は、私と同じ病を患っているにも関わらず、快調に登って行く。やはり、私より若干若いせいもあろうか。当方は、途中で"タカノツメ"や"ヒメシャラ"の黄葉を撮りつつ休憩し、マイペースで登ることにする。15分ほで林道に合流すると、目の前に黄葉の大木が現れる。やや茶色がかったのが"ミズナラ"、先端が三裂するのが"ダンコウバイ"ということになろう。渓谷側に目を転じると、艶やかな紅葉の先に、雄大な"朝日岳"の稜線が望める。そこで、レンズを交換しつつ、これらの絶景を撮影する。20分程撮影に熱中したであろうか。そろそろ切り上げて、戻ることにする。林道を下り始めたところで、ばったりとN.Y氏に出くわす。訊けば、我々の帰還が遅いので、心配して迎えに来てくれたとか。お詫びを言って、T.M氏とも合流して、一緒に帰ることにする。途中の"飛龍橋"下の峡谷には、紅葉/黄葉/緑葉が混在した明るいモザイク模様が見られる。目を峡谷上流に転じると、"前黒法師岳(標高1943m)"山麓も、ダーク調のモザイク模様に包まれている。ここから2分程下ると、N.Y氏推薦の椛が現れる。奥久慈の"永源寺(2016年11月8日参照)"のような派手さはないものの、実に深い色合いで中々趣がある。また、黄色の椛とのコントラストも見事なので、ここで暫し撮影することにする。このあと、紺碧の"大間ダム湖"他を撮りつつ、駐車場へと戻る。結局、"寸又峡プロムナードコース"の所要時間は、標準の1時間半を越える約2時間20分となったが、超過分は撮影時間ということになろう。ここから、T.K氏お気に入りの"紅葉公園?"に向かう。 12:16、寸又温泉を出てほんの数分で、"紅葉公園?"に到着する。道端を真っ赤な"ドウダンツツジ"が縁取り、その奥に紅葉真っ盛りの椛が数メートル間隔で並んでいる。先程の"ヤマモミジ"も良いが、この"イロハモミジ"並木は、より艶やかで見ごたえがある。また奥久慈の初日と異なり、日差しも十分あり、彩度/質感共申し分ない。ただ、難を言えば、風が強いことだが、少し弱まる瞬間を待って、強引にシャッターを切る。ここから元来た細道を通って、"千頭駅"へと車を走らせる。 13:10、"千頭駅"に到着する。ここで、N.Y氏が降り、我々3人は一緒に車で横浜に向かうことにする。駅舎に入ると、何と列車待ちのH.I氏に出くわす。時刻表を眺めると、次発は2時過ぎなので、寸又峡4人組は、駅前で遅い昼食を取ることにする。店に入ると、客は2人しかおらず、閑散としている。味は別段悪くなかったが、勘定の段になると、何故か値段表(税込み)より100円以上も高い値段を吹っ掛けられる。文句を言おうかとも思ったが、田舎の店にありがちなことなので、捨ておくことにする。駅舎まで戻ってくると、今度はT.K氏が、不要となった帰路の切符を、近付いてきた観光客に無償で差し上げている。何とも心優しい方である。最後に駐車場の"イタヤカエデ"や"川根のやんばい像"を撮り終え、駅のトイレに立ち寄ると、何とH.I氏と鉢合わせする。これも、"やんばい様"のお引き合わせかもしれない。ここから、元来た"川根温泉"を経由して帰路に就く。《その後、東名・鮎沢PA付近では、事故による大渋滞に巻き込まれ、K.M氏/T.K氏には多大のご迷惑をおかけすることになる。高齢者による事故が増加している昨今、私自身も気を引き締めて運転したい。》 ★活動量計データ(上り階段数:10,早歩き歩数:2077,総歩数:9722,歩行距離:7.6km,活動カロリー:1019kcal,一日総消費カロリー:2738kcal,脂肪燃焼量:39.5g) |